2020年03月03日

良いアイデアは、意外な事実や面白い出来事が、部品として使われている

良いアイデアは、意外な事実や面白い出来事が、部品として使われている。

聞いているときに新鮮な発見をもたらされると、スパークプラグが添加して、連鎖反応が起きる。

新鮮な情報が、個人的体験であれ科学データであれ、そこからマイクロ洞察タイムがおこり、アイデアは分化し進化する。

(−−多くのブレストを観察していての一考察。研究メモとして)
posted by 石井力重 at 17:25 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2019年11月04日

【学会発表】批判を入れたブレインストーミング「Brainstorming Type2」の研究

RQ.png


9月28日、創造性の研究者が集う「日本創造学会」の大会が、今年は北陸先端大で開かれ、研究発表をしてきました。

(2:55から、発表が始まります。20分間あります。長い!)

(そのスライドシェアです:うまく表示されない時は全画面表示にするとよくなることがあります。)


==概要==

研究の中核は、「ブレインストーミング Type2」(=ある種の批判力を取り入れたブレスト)です。

今までのブレスト諸技法はどれも、ドグマである「批判禁止(原義:判断遅延)」は、大前提でした。

これに対して私は、批判力をいくつかに分解し、「アイデア発展に寄与するあるタイプの批判はOK」、というルールにしたものを設計し、大量の被験者によってその成果を分析しました。

結果をダイジェストで示しますと:

◎「建設的批判」(:=質問、異見)を、ブレスト中に使用をOKにしたところ
◎やりやすいと感じる人が増えた。
◎効果的になるのは、初見のメンバーではなく、
  3回目ぐらい一緒にブレストしたメンバー、あるいはそれ以上の付き合いのメンバー。
◎アイデアの具体性や実現性が上がる。
◎被験者自信の創出アイデア評価としては、通常のブレストに比べ、30%の効果増。


もうすこし細かく示しますと以下のようになりました。

◎人材タイプ「ロジカル型」「中間型」「クリエイティブ型」に分けると、
  およそ2:6:2の分布となった。

◎ロジカル型は、Type2のルール(質問、異見OK)に対しては、従来を違いを感じない。
  (通常のブレストでも、それをしてよいことだと、認識しているため)

◎中間型は、Type2のルール(質問、異見OK)がありがたいと感じた。
  ブレスト中に、質問や異見を言ってもいいのだろうか、批判的行動になるのでは、と
  思い遠慮していた。それを、公式にルールに入れたもらったことでしやすくなった。
  結果として、アイデアの具体性や実現性が発展した。

◎クリエイティブ型は、Type2のルール(質問、異見OK)があることで
  やりにくさを感じている。どういう形であれ、批判されるのではないかと
  考えると、アイデアを出しにくいと感じている。


です。

なお、研究におけるの実験条件の限界もあります。
この研究結果を活用する場合は、そうしたことを踏まえてお使いいただければ幸いです。

==今後の展望==

この研究は、”Type2”の熟度をあげる方向と、”Type3”(クリエイティブ型の人をブーストするルール)の開発へと続きます。

(詳細ご興味ある方は、石井にお尋ねください。)

posted by 石井力重 at 07:00 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2019年01月22日

出し尽くしの先に光るものがある(文献memo)

川喜田二郎先生の文献をつぶさに読んでいます。

(故・川喜田先生は、KJ法の考案者です。初代学会長として、日本創造学会を作った先生でもあります。KJ法は、団塊の世代ジュニアぐらいまでは、鉄板の企業研修技法でした。現代は、世界中の知識にアクセスするようになり、発想法・創造技法が多種多様に存在して「KJ法って、カードまとめるやつでしょう」という小さな認識でろくに学ばれていません。アイデア発想法の研究者としての石井としては、KJ法は、今なお古びていない宝が沢山詰まっていると感じています。)

さて、一つの文章を、川喜田先生の文献から紹介します。


ブレーンストーミングにおいてもそうであるが、
最初のうちは月並みな意見がたくさんつながって出てくる。
タネが尽きたかと思われるころからあとで出る意見の数は少なくない。
時間はややかかるかわり、
絞り出された意見は、しばしば光り輝くものである。

『続・発想法 KJ法の展開と応用』川喜田二郎(中公新書)



私が、講義・講演でよく言う言葉に「はじめに出すものは誰もが思いつくようなものが出る。出し尽くしの先に、あなたしか思いつかないアイデアが出る」というものがあります。
フレドリック・ヘーレンや、A.オズボーンの文献にも、同種の言葉があります、と添えつつ。
ブレインストーミング実験の上でも、同種の事は頻繁にみられる現象です。

川喜田先生の文献で上記の一文に出会い、時代を越えて発想法の達人たちが発見していく一つの「創造性の特性」だなぁと、感じていました。

文献memoでした。
posted by 石井力重 at 16:20 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2018年10月18日

アイデア創出ワーク・プロセス(2018年10月更新版)

アイデア創出のプロセス.gif

優れたアイデア創出活動は「発散思考」だけではありません。
大量の創造技法のエッセンスを分解して、要素を整理すると、上図のようになります。

私が、博士課程で研究していたころに作ったもので、現在も定期的に見直し、更新しています。

2018月10月の更新で、「発散(広げる)」前のフェーズを発展させました。
「設定する」としていたフェーズを、「見る」と「定める」に分割しました。

続きを読む
posted by 石井力重 at 20:40 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2018年07月17日

起業アイデア、10のフレームワーク(vs 汎用的なアイデア発想のフレームワーク)

日経新聞社のサイトに、興味深い記事があります。※1 ※2

10の起業アイデアの型を、シリコンバレーのスタートアップス(ベンチャー企業)に精通した方が紹介されています。

(1)中間プロセスの排除

(2)バンドルを解いて最適

(3)バラバラな情報の集約

(4)休眠資産の活用

(5)戦略的自由度

(6)新しいコンビネーション

(7)タイムマシン

(8)アービトラージ

(9)ローエンド型破壊

(10)As a service化

どれも端的に、今のベンチャーの着想の型を記されています。

この中身を、アイデア発想法の研究者としての石井の視点から見ると、「なんとなく、SCAMPER ※3 のフレームワークに似ているな」と感じました。

そこで、10の型を、SCAMPERのフレームワークに、写像してみました。(クリックすると大きくなります)

10のフレームワーク.jpg
※本画像は、転載引用せず、元データに必ず当たってください。(記事サイトより内容を引用し、かつ表現を石井が圧縮・再表現してしまっていますし、また記事の解釈の誤りも含まれる可能性があります。ぜひ元の記事をご覧になってみてください。)

なお、記載の順は「CEMRAPS」順に、整理しなおしています。※4

スタートアップがエッジィに切り込んでいくときには、やはり、「E=削除する」という思考様式が、型としておおいという印象を、並べてみて感じました。

E(削除系)=〔中間プロセスの削除〕〔アンバンドル〕〔ローエンド型破壊〕

なお、分類した際に、全部がすんなり分けられたわけでなく、「強いて、SCAMPERの型に当てはめるなら・・・」という感じに分けたものもあります。SCAMPERの項目では、受け取り切れない本質もありました。たとえば「集約する」という型が欲しいところですが、ないので「拡大する」という枠に入れています。

BMCなどを用いて、ビジネスを整理し、そして、新事業を構想していくようなワークによく立ち会います。
そういう時に、こういう切り口をたくさん知っている人は、発想の材料が多くなり、検討作業の質が上がります。

良い記事だと思いますので、新事業に携わる方は、元記事をご覧になってみください。

===捕捉===

※1

起業アイデアを検証、代表的な10個のフレームワーク

起業の科学(第10回)

2018/7/14 6:30日本経済新聞 電子版

※2

日経新聞のサイトは、IDがないと開けませんが、IDをつくれば無料で月数本の記事が読めます。

※3

SCAMPER(スキャンパー)、アイデア発想法の一つ。発想トリガー法、と呼ばれる技法のひとつで、トリガー法の中ではもっとも汎用性が高いもの。「くっつけてみたら」「削ってみたら」「形を変えてたら」「逆にしてみたら」などの7つの問いかけで構成されている。(オズボーンの、あるいは、アイデアのチェックリスト、と一般的に呼ばれているものとほぼ本質は同じ。)

※4

CEMRAPS(セムラプス)、石井が研究者としてアレンジした現代日本版SCAMPER。SCAMPERは、その順に発想すると、発想における心的操作の量が大きいものが先頭にあり、使いにくいので、思考処理量の少ない順に並べなおし、多くの日本のビジネスマンたちに使ってもらい調整したもの。C=結合、E=削除、M=変形・拡大縮小、R=逆、といったすぐに思考展開しやすいものが先頭にきている。)
続きを読む
posted by 石井力重 at 17:56 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2018年07月08日

仮説「半眼ブレスト」

旅仕事の途上で、ホテルのチェックアウトまで、デスクワークをしています。

旅仕事で、色んな人々とアイデアワークをすると、多様な領域に精通した人々との交流があります。

昨日のOIHでは、禅に造詣の深い方が二人もおられて、懇親会中、いろんな知識創造的示唆が出ました。


その中で、「半眼(うっすらと目を上げている状態)」と「ブレストの新しいやり方」の交点が想起されました。

一晩寝て、私が日記に書いたことを、そのまま、転記してみます。

7月8日。半眼 目隠しブレストをすることで、閉眼によるアルファー派優位に導けて はかどるのではないか。という仮説をもって実験したことがある。

結果は2極化した。
ある人々は、他者の芽を気にせずにできて、創造的になれた。と。
ある人々は、相手の反応が分からず、不安になり出しにくくなった。と。

ざっくりした印象は、
前者は、芸術家気質を感じる人々で、
後者は、コミュニケーション上手な人々で、あった。

浮かぶ仮説。
〔半眼、という状態でも、アルファー波優位に持ってこれる。〕

仮に、これが正だとしたら、目隠しブレストでなく 「半眼ブレスト」でなら、より効果的になるのではないか。

なお、右目を閉じて、左目だけでブレストしたらどうなるか、も派生する興味である。


脳波の計測により、閉眼状態ではα波が優位になり、目を開けているときには、β波が優位になることは、よく知られています。

半眼、というのは、大仏の顔にみられるような、前方から見るとほとんど閉じているように見えて、足元から見上げると、目がうっすら開いている状態です。

この状態で、αとβのどちらが優位になるかは、計測してみる必要がありますが、もしα波優位であれば、ブレストのはかどりに向けて新しいブレスト・スタイルを作れる可能性はありそうです。


(捕捉的に思い浮かぶこと。半眼、という状態で、脳波の主成分がどうなるかは、たぶん、禅的な、あるいは、精神統一的な修練の度合いにも影響しそうで、ケースバイケースとなりそうです。実験条件や作業仮説を良く工夫しないと、あまり良い定量研究はできなさそうにお思います。)


・・・


そろそろ、チェックアウトの時間になりました。

創造的な営みについて、日々、いろんな人と知見を交換し合い、様々な可能性について光を当ててみています。旅仕事ってなにしているの?と良く効かれますが、講演やワークショップが中心ですが、こういうことも、その範疇です。
posted by 石井力重 at 10:55 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2018年06月11日

ミッション/ビジョン/バリュー/行動指針

最近、ビジョンやコアバリューについて、考える企業さんが増えました。

経営戦略の上位に当たる部分で、私も社会人博士課程時代に、経営戦略の授業の中で、その重要性を学びました。
その辺を、専門用語でなく、子どもにわかるような表現で、すこし綴ってみようと思います。




<<石井版の説明>>

カンパニーってのは、「船」みたいなものなのだ。

昔は、海をわたり、物資か貴金属を運び、貴重な物品を持ち帰る航海は、大きな冒険だった。

一度の航海にでるのに、資金を募り、船を建造し、生活物資を買い入れ、船員を集め、現地で得たものを持って帰り、港に戻り、貴重な物品を売却し、販売金額から経費を抜いたら、利益が確定した。

こういう一度のプロジェクト単位で、会計、というのもできていた。「売り上げ」「経費」「利益」という管理の仕方ができていった。

さて。

船には、目指す場所がある。

ひとたび大海原に出れば、北極星の位置を頼りに、進む。
北極星の位置は、どれだけ長い時間たっても変わらない。

不明な場所も多いけれど、海図、という海の地図をもって、自分たちがどれだけの距離を進んだかを書き入れて、船を運航していた。

この「北極星」「海図」「目的地」というのが大事。

例えば、自分の港から、ひたすら北極星の方向に進んだ先に、目指す大陸があったとして、船は北極星を目指してゆく。

そうすると、別の陸地があって進めない場所もあるので、いったん北極星の方角を離れて、方向を変えたり、運河を進んだり。
それで、北極星の方角に進めるとこに来たら、ずれた分を戻して、北極星に進み続ける。

海図というのも、遠いとこは間違っていたりする。
そういう時には、書き替えて、正しい地図を作りながら行かねばならない。

時には、予想していなかった大きな陸地にぶつかり、情報がなくて、どちらに回り込むかを迷うときもある。
そういう時には、船長の判断が、必要になる。

吹きすさぶ厳冬の中、港の中で春を待たねばならない時もある。

困難や飽きの中で、乗組員の中には、辞めて船を降りていくものもある。途中で人を補充することもある。
この船は、どこを目指しているか。乗組員には何をしてほしいと要請するか。
そういうこの船のルール・ブックがあり、それに納得できない人は、採用できないし、航海中に事情が変わって、目的地や働き方が変わってしまうこともあり、その時点の改定ルール・ブックに合わなくなった人は、辞めていく。実際は逃げたんだけど。

食料や、それを買う資金も有限であり、長い航海になると、寄港した先で充分な食料を買えないこともある。食料、だけでなく、時間、お金、が大事な資源になる。

こういう色んなものを、背負って船は走っていく。


さて、本題。

まず、ミッション。使命。

この船が、危険を冒して、向こうの大陸の穀物のタネを取りに行くのはなぜか。

やせた大地でも育つ種があれば、この国の人々が、いつでもおなかいっぱい食べられる世の中なる。そういう世界にするんだ。

これがミッション。社会的で、尊敬できる志し。


次に、ビジョン。なりたい姿。

強く豊かな実りをもたらす種もみを、国中の農家に販売できるほど持ち帰り、出資者や乗組員の報酬に足る十分な収益を得る。豊かになった国で、人々から国を豊かにしたと尊敬される。

ビジョンは、ミッションの実現した像、という性格も持つ。


(ミッション、ビジョンは、明確に分けないで、その両方を混ぜた形で捉えられていることも多い。それも良い。)
(嵐の夜の甲板で、星の光も、灯台の光もみえない。冷えて、疲れて、じっくり考える時間もない。そういう中で、行動していく人たちにとって、ヨリドコロとなるもの。単純明快であり、唱えれば力が湧いてくる。志しとは、そういうものなんだ。)

 
そして、バリュー。価値観。

バリューは「価値」ではなく「価値観」。ミッション・ビジョンを実現するために自分たちの中に持つ原則、のようなもの。メンバーとして、あるべき姿を明文化したもの。

乗組員(メンバー)は、通常は上司の指示に従うが、危急の際には、自分で判断し行動しなければならない。バリューは、選択できる力を与えてくれる。行動原理、プリンシパル、がある状態になるので、それにのっとった各自の判断は、総体としては、組織を前進させるものになる。


それから、行動指針。ガイドライン。

行動指針は、バリューを実現するために、具体的な解釈「価値観を具体的にどう受け止めればいいのか」、詳細な行動「何をするべきなのか」、詳細な成果「出すべきアウトプットは何か」を明示したもの。など。

行動指針=バリューだ、というケースもある。


バリュー、行動指針は、「船員心得」「業務日誌(目標明示と実績)」にあたる。





以上、推敲なしですが、「カンパニーの原点である、冒険船」の時代に戻して、4つの要素の説明を試みました。

スマートな説明が、書籍やWEBにたくさんあります。
ここでは、できるだけ、子どもに話して聞かせることを意識して、ざっくり説明を試みてみました。



posted by 石井力重 at 18:10 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2018年06月10日

親密さの重要性

創造的な成果物を得るのに重要な「発想のお題との親密さ」という話を書きます。


(1)お題との親密さを高めよ

創造的認知の学術的な文献においては

◎対象との親密さを増すこと
◎現実の世界といったん離れ、その世界に入ること
が重要である。

とされています。

(実際の文献では、説明はもう少し難解な感じに表現されていますが。)

親密さをあげることしないで、アイデアワークに入っても、
多くの人は、創造的資質をフルには使えない。

主題に対する親密さを上げるために、何ができるか。』

アイデアワークのファシリテータは、そこにもっと、心を砕かなければいけません。


(2)しかし、情報過多は避けよ

一方の効能を示すと、それだけをやりすぎて間違うので、カウンターパートとなるものも説明しておきます。

主題の関する説明が、長すぎてもいけません。

◎Too Much Informationに注意せよ。

これもまた、重要なのです。

発想を助けたいと思って、テーマの説明、ならびに、技術や情報提供を非常に長く行ってしまいがちです。しかし、知識のインストールをしすぎると、創造的心理を阻害します。心理的惰性とも表現されるものがあり、知りすぎると、「その問題は難しい」という心理になり、創造的な羽ばたきが少なくなります。


(3)なので、バランスが大事

親密さを上げつつも、情報過多に陥らせない、いい塩梅が大事、です。

具体的にどうすればいいでしょう。

この先は、確度がまた十分ではない、石井の経験則的な知見になります。一応、述べます。

◎アイデアの創出をする前に、主題に対する親密度を上げるために、そのお題の世界に対して充分に「入る」ための時間を取る。
具体的には、複数人でそのお題について洞察的に話し合ってもらったり、各自が自分一人でそのお題について洞察的について考えを巡らてもらったり、など。

洞察的に話し合う、洞察的に考える、とは具体的に何を指すか、ですが、洞察というのは、見えないものを見えるものや情報から”見通す”行為です、〔その主題から立ち上がってくるものを目を凝らしてよく見る〕といった感じです。
そんなに難しい精神活動は、ふつうは要求しておらず〔お題に関連する情報を、知っている限り、書き出してみる。お題から連想される物事を、想起して、話し合ってみる。何がそのお題の本質なのだろうか、を推測してみる〕というぐらいで結構です。

◎お題の情報過多を防ぐには、必要十分な適切な情報提供が要る。お題の説明に、盛り込む要素は次の7つ。

「なぜ問題なのか。(あるいは、企画系テーマなら)なぜチャンスなのか」
「簡単な背景説明(内側、外側)」
「そのお題の実現にあたっての制約」
「既に試みたこと、思いついていたこと」
「解決策を実施する権限の度合い」
「(詳細やHowは不明でいいので)理想的な解決状態」
「プロジェクトから得たい結果」

いつも、フルセットが必要な場合ばかりじゃありません。必要に応じて、減らしたり、付け加えたりしてください。

お題の説明者がよくする誤りは「制限を先に言うと、考えを狭くしてしまう」という考え。しかし、「制限」は創造的な頭の働きを引き出す要素であり、適切な制限の提示は、プラスになります。(考える余地がなくなるほどの制限は、マイナスですが。)

これらを端的に紹介し、次に、発想者たちに、お題に対しては「入る」時間を与える、といいでしょう。

お題に入る際に、上記の7つの要素は、自然と想起される質問です。先に与えておくことで、同じ時間で、より親密さを上げることができるでしょう。

以上が、本日紹介したい話でした。

補足)

なお、中途半端にこの「お題に入る」という概念を説明しようとすると「なんか、怪しげなことを言い出した」感が醸されてしまいます。さりとて、学術的な難しい表現を覚えて使っても、心が離れるでしょう。【お題に対する親密さを上げる】という表現をする方が、フォーマルな場ではふさわしいでしょう。アーティスティックなメンバーやメンタリティーが若い人が多いならば、端的に「お題に入る」と言ってもいいでしょう。



まとめ:


お題に入る時間を作れ



続きを読む
posted by 石井力重 at 16:01 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料



カテゴリ
プレスリリース&メディア掲載(79)
ideaplant 作品(29)
一人ブレスト(20)
電子書籍コンテンツを意識して(2)
今日の一枚(2)
IDEAVote/アイデアを、チームでスマートに楽しく評価していくツール(45)
アイデアプラントの試作の目線(87)
知であそぼう(5)
アイデアプラント 1st (2005-2008)(251)
アイデアプラント 2nd (2009-2011)(580)
アイデアプラント 3rd(2012-2014)(122)
アイデアプラント 6th(2021-2023)(34)
アイデアプラント 4th(2015-2017)(167)
アイデアプラント 5th(2018-2020)(93)
オンライン・ワークショップ&研修(43)
執筆作業と拙著(2)
アイデアワークショップ(&アイデア創出の技術&創造工学の講演)(422)
アイデア・スイッチ(39)
アイデアの技法(230)
メソッド&ハウツー(197)
研究(創造工学)/検討メモ&資料(136)
研究(創造工学)/発表論文&スライド(20)
TRIZ(143)
日記、価値観、仙台オススメ(449)
仙台(5)
Fandroid(11)
フリー・オートシェープ素材(ご自由にどうぞ)(2)
創造工学の絵本(5)
社会活動/全般(39)
社会活動/Five Bridge(11)
シリコンバレー(23)
面白法人KAYAC(9)
社会動向を見る(12)
カード・メソッド(todoとideaと会話をカードで可視化)(2)
研究(MOT)/検討メモ&資料(43)
研究(MOT)/発表論文&スライド(3)
ベンチャープラン「音co知心」(8)
MMJ(37)
事業化コーディネータのお仕事(165)
航海マネジメント・ツール(11)
道具考/pomera(6)
道具考/scansnap(14)
道具考/YUREX(1)
道具考/iPod touch(21)
道具考/ALL(32)
道具考/iPad(8)
ブレイン・ペーパー(1)
石井力重とは(9)
8月22日(20)
311special(8)
ideaplantに、お仕事を依頼してみませんか(9)
創業初年度の確定申告(8)
こども用(4)
iPad+アイデアワーク(10)
旅先にて(12)
Finland(5)
新しい知識を学ぶ(2)
ブレストカフェ(2)
気づきは仮説に過ぎず。だが表現すべし。(3)
アイデアプラント・ノート(1)
加藤昌治さんと石井力重の「往復書簡」(4)
ファシリテータの小ネタ(1)
『すごいブレスト』2020年(10)
長崎(1)
ことば(1)
アイデアプラント 7th(2024‐2026)(14)
過去ログ
2025年01月(2)
2024年12月(3)
2024年11月(3)
2024年10月(4)
2024年09月(2)
2024年08月(1)
2024年07月(2)
2024年06月(2)
2024年05月(2)
2024年04月(3)
2024年03月(3)
2024年02月(2)
2024年01月(2)
2023年12月(2)
2023年11月(1)
2023年10月(1)
2023年09月(4)
2023年08月(4)
2023年07月(1)
2023年06月(4)
2023年05月(2)
2023年04月(1)
2023年03月(1)
2023年02月(1)
2023年01月(7)
2022年12月(5)
2022年11月(4)
2022年10月(2)
2022年09月(2)
2022年08月(5)
2022年07月(2)
2022年06月(2)
2022年05月(1)
2022年04月(2)
2022年03月(2)
2022年02月(3)
2022年01月(3)
2021年12月(2)
2021年11月(7)
2021年10月(2)
2021年09月(1)
2021年08月(2)
2021年07月(5)
2021年06月(1)
2021年05月(3)
2021年04月(3)
2021年03月(6)
2021年02月(7)
2021年01月(13)
2020年12月(10)
2020年11月(9)
2020年10月(3)
2020年09月(9)
2020年08月(8)
2020年07月(4)
2020年06月(20)
2020年05月(9)
2020年04月(10)
2020年03月(9)
2020年02月(4)
2020年01月(6)
2019年12月(2)
2019年11月(2)
2019年10月(1)
2019年09月(1)
2019年08月(5)
2019年07月(1)
2019年06月(5)
2019年05月(3)
2019年04月(10)
2019年03月(6)
2019年02月(2)
2019年01月(8)
2018年12月(4)
2018年11月(3)
2018年10月(9)
2018年09月(3)
2018年08月(1)
2018年07月(8)
2018年06月(12)
2018年05月(11)
2018年04月(7)
2018年03月(8)
2018年02月(6)
2018年01月(2)
2017年12月(6)
2017年11月(12)
2017年10月(3)
2017年09月(3)
2017年08月(3)
2017年07月(5)
2017年06月(5)
2017年05月(8)
2017年04月(5)
2017年03月(8)
2017年02月(6)
2017年01月(6)
2016年12月(10)
2016年11月(7)
2016年10月(2)

Powered by さくらのブログ