2012年12月30日

資料メモ「ポジティブ心理学」

今は便利な時代です。

長い休みに入り開発没頭しているのですが、休憩がてら、新しい知識のために、授業をオンラインで見ています。昔であれば、社会人学生として手続きをして試験を受けて通って・・・となっていたのが、ずいぶんな違いです。授業で見たこともメモしておいて、関連情報を検索すれば、TEDのビデオがあったり、本がさがせたり。もう少しすると、社会人が文献としてすぐに見たい本ほど、電子書籍ですぐに手に入るようになるのではないかと、思います。

今日はポジティブ心理学、について、大きなダイジェストの中の一部で言及されていて、前々からすこしちゃんと向き合おうと思っていたものでした。開発メンバーの中の心理学の教授や、韓国訪問時の朴教授らも、言及していましたので。

ダイジェストの中で知ったことをメモします(例によって、記憶のフィルター経由です。正確さに欠いています)

ポジティブ心理学。心理学者Martin Seligman(マーティン・セリグマン)が、アメリカ心理学会の会長だった時に、提唱し展開してたもの。世界大戦以前の心理学は、広かったがそれ以降のものは、人の心の弱い所や問題を専門に研究してきた。人々がより幸せになるための部分についての心理学をテコ入れしよう。ということで、ポジティブ心理学、という研究領域が発展。


以下、周辺的な情報として、ネット上で調べてみた、情報密度の高い所を挙げておきます。

・・・

TED

マーティンセリグマンポジティブ心理学 | Video on TED.com


ペンシルバニア大学のセンター長をしているセリグマンらのサイト(診断機能あり)
http://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/Default.aspx

wikipedia
日本ポジティブ心理学協会
http://www.jppanetwork.org/JPPA/about.html


〜Books〜

参考書籍として講義中にたぶんこれを持っていたと思われる本
ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性

他、面白そうな本

幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論 (シェーン・エイカー)
フロー体験入門―楽しみと創造の心理学(チクセントミハイ)
世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生(セリグマン)

ポジティブ心理学は、「幸せ」に対して光をあてるので、何度なく本のタイトルが「あやしげ」感を醸しますが、多分、一番上にあげた本は手堅いと思われますし、そのほかの本も、その道で有名な研究者の本であり、良いものだと思います。

→ ポジティブ心理学協会のサイトに、推奨図書一覧がありました。
こちら

・・・

そういえば、過去のメールを拾うと、今年の2月、高橋興史さんが、ポジティブ心理学協会主催のイベントをされていました。

2012年12月29日

知能。流動性と結晶性

冬休みは、勉強のシーズンでもあります。知っていくことを書きとめていく、学生時代ライクなブログの運用も、この長い休み期間ならではの使い方です。

印象に残ったことをメモしておきます。

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知能には、二種類のものがある。流動性知能、と、結晶性知能
それらを総合したものが従来の知能として表現されていたもの。


流動性知能。これは、新しい環境への対処の能力など。幼児期からどんどん伸びていき成人になる前にピークを迎え高齢に向かってずっと降下していくもの。
結晶性知能。これは、積み上がっていく経験からくる能力など。幼児期から成人期に向けてどんどん伸びていき、それ以降も、ずっと徐々に伸びていくもの。

この2つの足し算のカーブとしては、幼児期から成人期にかけてぐんぐん上がるカーブが成人期をピークに下降していくカーブへとつながっていく。従来の知能の考え方は、この曲線をみて、知能が下がるばかりという図になっていたが、ミクロに見てみると、結晶性知能、という点では、人は高齢になるに従い上昇し続ける知能領域がある、と言える。

━━━━━━━━━━━━━━━━━

この概念は、実社会の「老いてますます能力の高い人物」を説明する時にとてもよくマッチしています。企業などで、多くのベテランの方は、ご謙遜されつつ「最近、年齢のせいか、頭が固くなりまして。」とおっしゃられるのですが、仕事のクオリティなどは、それこそ若手が到底及ばない水準のことをされ続けていたりします。

上記のモデルで言えば、理屈としても合点がいきます。加齢に伴う「流動性知能」の低下、つまり、新しい環境にあてはめて考えていくようなことは確かに、衰えとしてあり得るのかもしれず、かつ、一方で加齢に伴う「結晶性知能」の上昇、つまり、経験からくる高い技能や思考力は、後人には及ばぬレベルに上っていく。もちろん、個人差はあります。体のキツサはさっぴくとして、新しいことに次々飛び込んでいこうとするような、流動性知能に近いことを老いてますます盛んにしていく方もおられます。なので、必ずしも、皆が皆、上記のようなカーブに乗って知能が遷移するわけでもないかもしれません。

私はいま39歳ですが、総合的な知能カーブから言えば、ピークから20年ぐらいがたったわけですが、昔から流動性知能が低かったようにも思うのであまりその点で変化があったようには思えませんが、結晶性知能については、いろんな分野を学び、専門家の友人も増え、多様な業界に仕事でよんでもらえて、情報量の増加幅は年々増えていきます。その意味では、何かのブレストに参加していても昔よりも非常にたくさんの発案が湧き出てくるし、引用できる関連事項も増えているように思え、確かに、結晶性知能、という側面があるな、と感じます。

(ただ、有限の脳の能力域を、より多くの部分をクリエイティブシンキング系のものに割り当てる改修工事が常に行われているもののプラットフォーム全体は徐々に狭くなってきている、ということもあるかもしれません。若いころに身に着けた商社での仕事の仕方のうち何割かは、いま、意図的に再現しようとしても難しくなっていますし。)

印象に残った学びと、そこから想起することは、以上です。

いろいろ不確実なことを書いたのですが、一つここから抽出しておきたいことは次の事です。

”年を取ったから、頭の能力が全領域的に衰えていく、そりゃ仕方ない。自然なことだ”と開き直るなかれ。”天寿を全うするその最後の日まで、脳のある領域の能力は、伸び続けていくのだ。”という信念に近いものをもって、成長する人生の坂道を上るように生きていくのが良さそうだ、ということです。

出来ぬとことへスマートなエクスキューズ、怠惰への免罪符、を手に入れてしまって、久しく力を使わなければ、いざという時にすっかり失っている。人間とは、伸びて実りて最後に種に戻るような、存在だと思いますから。
 

新生児の選好。そこから想起する、原始的な認知に依拠したデザインルール

幼児の心理学に面白い、古い研究があります。今日も一つ学びましたが、なかなか、大人のスキルにもヒントとなる示唆が多く、反芻していました。

まず、ファンツらの研究で、調べられた『新生児の選好』について。

学んだこと:

簡単に言うと、新生児は、目にするものに対して『パターン/コントラス/大きい/多い/曲線』の要素が、あるものの方が、ないものよりも、好んでみる、というものです。

講義で示された内容を書き出してみます。

パターンがあるもの、を好む
均一より、同じ模様の繰り返し、を好む。
同じ形の2個配置でも、無地との比較でなら、2個配置を、好む

コントラストが強いものを、を好む
同じパターンや模様なら、より濃淡のはっきりしたものを好む。
いろんなコントラストのものを混ぜて配したものより、全部同じ濃度でも濃くはっきりコントラストのものを、好む。

大きいもの、を好む
パターンの要素のサイズが小さいものより大きいものを、好む。
要素が大きくて少ないものと、要素が小さくて多数のものでは、大きい方を好む。

数が多いもの、を好む
要素のサイズや形状がおなじなら、その要素の数が多いほうを好む。
形についても、形状の特徴(でっぱりや角)が多いほうを好む。

曲線で構成されているもの、を好む
同じようなでデザインなら、角が円いものを好む。
要素は、四角より、丸を好む。
線は直線より、曲線を好む。

(Fantz&Yeh 1979、に対し、石井にて説明を加筆しています。より正確な表現は原典をご覧ください。)

新生児が月齢8か月ぐらいまで、視力が発達していく中では、大人とは異なる特徴的な見え方をしているそうです。それは単に瞳のレンズの性能だけによっているのではなく、それらを処理する視神経系側の性能もぼんやりとものを見るようになっていることに起因しているそうです。

このことの解釈として述べられることを、私の理解を通じて表現します。正確性に欠けるのと理解のフィルターを通してしまっていることをあらかじめ含みおきください。

まず、視力が低いことですが、これは学習においてよい効果として機能していいます。

見えるものをぼんやりと大雑把に見、人間の顔などの視認において細かな情報、たとえば、ホクロや皴など、は入力段階で捨像(しゃぞう)してしましまい、顔における特徴的な要素と配置だけをみて、それらの情報パターンを獲得していきます。獲得が進む一方で、視力が徐々に育ち細かいものを見ることができるようになり、より具体的な細かい情報を理解するようになります。

講義において、一つ興味深い調査がしめされていました。

それは高機能自閉症児の弟妹※の生後数か月の時点での視力を測定したものです。それによると、新生児期に高い視力を持つケースが多かったそうです。生後数か月で高い視力を持つことで、初期に形成されるべき、顔の大雑把な特徴パターンを形成できず、いきなり子細な情報を入れていくことが、その後の表情や意図の読み取りに対しての影響している可能性が考えられる、そうです。

(※当人ではなく、弟妹であることについて:生後数か月のデータが欲しいとなると、自閉症児の判断ができないがゆえにその後に生まれた兄弟の測定をする形にしてようです。ですが、講義では補足コメントもありました。調査対象者となったその子たちのその後の発達は必ずしも先に生まれた子と同じではないそうです。自閉症の症状のある子も、ない子も、折られたそうです。この結果は慎重にとらえるべきかもしれません。専門領域ではないので、ここには私の解釈のフィルターが多分に入っていることを、繰り返しますが、ご容赦ください。)




想起したこと:

ここまで学んで、学びながら、ぽこぽこっと、3つのことを関連して想起しました。

  • ノンデザイナーズ・デザインブック、4つの基本原則
  • アンパンマンの世界
  • 認知のメガネ



一つ一つ行きましょう。ちょっと、長いです。

まず一つ目は、『ノンデザイナーズ・デザインブック』です。
私が所有している本は最新版ではなくsecond editionです。その版の中、13ページ目にこういう記述があります。引用します。




4つの基本原則


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


上手にデザインされたどの作品にもみることができる基本原則の概要を次に示します。それぞれの原則を個別に説明しますが、実際には互いに関連していることを覚えておいて下さい。どれか一つの原則しか使わないのは、ごくまれなことです。


コントラスト


コントラストの背景にある考え方は、ページ上の要素同士が単に「類似」するのを避けるということです。もし要素(書体、色、サイズ、線の太さ、形、空きなど)が「同一」ではないなら、はっきり違わせるということです。コントラストは、ページ上で最も重要な視覚的な吸引力になることがしばしばあります。つまり、読者をまず読む気にさせる役割をするのです。


反復


色、形、質感、位置関係、線の太さ、書体、サイズ、画像などの視覚的要素を、作品全体を通して繰り返すことです。これは、織化を促進し、一体化を強化します。


整列


ページ上では全てが意図的に配置されていなければなりません。あらゆる要素が、他の要素との視覚的な関連をもつ必要がありま。これにより、明快、洗練、新鮮、という印象が生まれます。


近接


互いに関連する項目は、近づけてグループ化しなければなりません。いくつかの項目が互いに近接しているとき、それらはバラバラな要素してではなく、一つの視覚的ユニットとして認識されます。近接は、情報組織化し、混乱を減らし、読者に明快な構成を提示するのに役立ちます。


出典ノンデザイナーズデザインブック』P13





この4つと、先に述べた『パターン/コントラス/大きい/多い/曲線』では、共通する要素がかなりあります。相互に関連付けられないのは、近接、と、曲線、ぐらいで、後は何らかの対応関係を形成できます。

デザインについて私は専門外ですので深いことは言えませんが、人間が原始的な状態で好むようなデザイン要素は、大人たちにとっても、素敵なデザインと映るものであるのかもしれません。同種の事は、発想やアイデアの中でも言えます。子供が好きなものを選ぶと、ヒットしやすい、という考え方です。

正確には全く議論できないのですが、ここから一歩踏み込んで仮説的に言うならば、デザインの基本原則に+1して、5つの要素「コントラスト・反復・整列・近接・ラウンド」にしたら効果的かもしれない、と考えていました。

ラウンド
図形要素のうち、可能なものは、かどまるや円型を使う。直線を曲線にする。有機的な形にする。

あくまでも、未成熟な思いつきの仮説です。ただ、それもある種の人には一定の価値があるかもしれない、とおもい、記しておきます。





二つ目は『アンパンマンの世界』です。

視力の弱い新生児に見える世界はぼやけていると同時に、非常に近接した状態の顔が見えていると考えられます。昔流行った犬の鼻先から犬の顔を撮影する頭と瞳の大きい写真が、そのイメージとして近いです。赤ちゃんが見えている母親は、顔、特に目のあたりを大きく認識し、上半身から足へと遠くなるので胴体や足は小さく認識すると思われます。アンパンマンの世界はそういう新生児の見る原風景に近い「顔の造形」「身体バランス」をしている事に気が付きました。更に、『パターン/コントラス/大きい/多い/曲線』の視点で見れば、子どもの人気を二分する、アンパンマンとバイキンマンはともに、それらの条件を高度に満たしています。ショクパンマンはやや直線が多く、カレーパンマンはきつね色の顔色で、瞳と口のコントラストが弱い、という点で訴求に劣るのかもしれません。5つの要素をもっとも満たすはっきりした造詣のヒーローを考案するならば「レンコンマン」みたいなキャラクターがいいのかもしれません。食材の人気度的に一回限りキャラになりそうという欠点はありますが。




三つ目「認知のメガネ」とでも言うべきもの、について。

これらの示唆から「認知の特性を利用した面白いアイテム」を作れないだろうか、という漠とした願いです。具体的には、、、そうですね、、、もうちょっと考えてみます。でも、きっと、何か、原始的状態の人間が持っている認知の特性を利用した「学習をよりよい体験にする道具」とでも言うべきものが、アイデアとして可能性を感じるのです。メガネ、というのは、アナロジー的な表現で、視力を意図したとおりの度数に変えてやることができる道具、という意味を込めて使っています。なにもグラス型の物体でなくてもいいのですけれども。






以上です。

余談と、+α:

今日は年末年始で、開発専念期間ということもあり、いつもよりしっかり書き出してみました。普段、人の話をうかがっている時、あるいは、講義を聴いている時、私の思考の中では、隣接概念が想起されていて、いくつも着想を書き出したいことがあるのですが、普段は、次々と進んでいく用事に流されて思考の断片は記憶の底へと沈んでいくのを感じます。時には、こうしてブログの1つの文章を書くことに3時間ぐらいを費やしてみる、というのも、いいですね。(長々書いたわりにつまらないですね、というツッコミはあり得るでしょうけれど。)
 
追記: もう少し、Facebookには別のメモも書いたのですが、それを編集し表現するのは既に書き出したこととの関係でおさまりが悪いので、リンクだけつけて今のところは筆をおきたいと思います。 メモ https://www.facebook.com/ishiirikie/posts/588312207852677

2012年12月25日

『アイデア創出ワーク・プロセス』(2012年ファイナル版)


創造工学を研究していた大学院時代からの資料である「創造する思考を行く人のための地図」、公開します。

アイデア創出ワーク_プロセス_By_IDEAPLANT_2012Final.jpg


アイデア創出の営みというのは、千差万別、さまざまなものがあります。
古い時代の文献の、いろんな領域にも、さまざまなスタイルのものが記されています。発想法、という言葉がなかった時代のものでも、いかにして着想を得るか、というファインダーで文献を読み込んでいくと、古くはギリシア時代、偉人の書かれたものの中にもそうした思考要素は見つかります。

もっとも、それは当然なことで、もともと人間には(発想法などを使わずとも)、困れば自然とアイデアを出し、作り、試し、乗り越えていく、そういうことをしてきました。そうしたことの積み上げの上に今日の発展した生活あります。

大学院時代に、私は創造工学を専門にしていました。より正確に言うと、二度目の博士後期課程を、R&Dマネジメント、の先生に師事しゼミで研究を進めていました。

創造というのはとても未踏の闇が今なお深い領域です。

文献のすべてを統合すると、創造的思考のプロセスモデル図は、カオティックな(混沌とした)、分岐と循環と曖昧なリンク(ジャンプに近い)だらけの、複雑で理解や活用がしにくいものが出来上がります。

そうした中でも、現代の社会において、特になされている創造的思考の技術において、重視されているものにウエイトを置いて、プロセス図にまとめていくという試みを大学院を終えた後も続けています。

それを、冒頭の画像で公開しました。
スライドシェアを使って、それに前後にスライドを付けたものを、ここにおいておきます。



6枚目は、そのこのプロセスのモデルの詳細技法やコメントを付けたものです。(冒頭の画像は5枚目です。)

前半4枚は、中心的な活動から徐々に理解できるように、紙芝居にしたものです。

創造工学を研究していた大学院時代からの研究である「創造する思考を行く人のための地図」、その今年最終版として、ここにおいておきます。


追記)

先日、横浜で、「創造工学の絵本」を配りました。(この前のエントリーにPDFで於いてあります。)
そこの最終ページをご覧いただくお気づきになったかかもしれません、”モデルは変更可能”、と書いてあります。その絵本では端折っているさまざまなやり方はほぼこの地図に候補が載っています。なんか変えたいなという時に使える部分があれば参考にしてもらえたら幸甚です。
 

2012年12月09日

FactとIdeaの螺旋

Fact(情報を知ること)と、Idea(アイデアを想起すること)は、螺旋のように、行ったり来たりをしながら進みます。

アイデアだけたくさん出して必要な情報を一気に調べる、というスタイルや、情報だけ一気に提供して、アイデアをひたすら出す、というスタイルがダメとは言いませんが、それなりに限界があります。

軽く調べて、アイデアをだし、本格的な調べを設計して、それを実施し情報を得てさらにアイデアを出す、、、というスパイラル。

かたく言えば「予備調査」→「プレ・ブレスト」→「調査項目の抽出、実施、情報獲得」→「それを得てブレスト」、、、という展開構造は、どういう場所のどういうものでも、うっすらと、小さく、存在しています。

こういう、FとIの往復をしながら前に進む、ということを意識しているだけでも、仕事をやたら難しくしてしまったり、でっかくしてしまったりすることを回避できます。

予備やプレ、あるいは、パイロットケース、そういう表現を語彙に持っているだけでも、大分、いい状況が増えるでしょう。

2012年12月02日

創造行為の観察からの仮説「ある種の脳波状態は伝染する(仮説)」

”創造的な人が登壇し、普通に話し始め徐々に興が乗ってきて、目が輝き、腕の動き、表情は文字では表しきれない複雑であいまいな情報を含み、講演する声の抑揚は、聞いている人の心拍数を高めるぐらいにわくわくとした疑似体験を相手の中に生成させる。”

そういうことを何度か経験しているうちに、昔読んだ小説の話をふと思い出しました。確か商売をする女性の話だったと思うのですがこんな話です。

”その女性は、相手の男性が眠ってしまうと、暇を持て余しその人の寝息にぴったり合わせ呼吸をする、という遊びをした。そうするとそのうちに自分も眠くなって寝てしまうのだけれど、奇妙なことに相手の見ている夢と同じものを見てしまう。しかし、それは精神的に疲れてしまい、危険なことなのでしないようにした”

そんな話だったと思います。

相手の頭の中で起こっていることを寝息から再現する、というのはあまりに高次な脳活動の再現する情報量としては少ないので難しいとして、でも、次のことはあり得るかもしれないと思うようになりました。

人の脳波いろんな複雑なことを考えます。脳の活動のある程度サマリアップされたもの(脳波もその一つ)が、身体的な出現(寝息や表情)として出てくることがあります。

それを、他者が呼吸や表情などの模倣という形で、正確に長い時間、相手の身体的出現特徴を真似し続けることで、それをある程度相手の脳の状態のサマリアップされたものを脳内で再現し、その人が感じていることを大まかに理解することができる可能性はあるのかもしれないと。

人間は、潜在意識では理解していない情報を脳の刺激としては受け取っていることがあります。60ヘルツと50ヘルツの蛍光灯があった場合、同じ光に我々は見えます。ただ、脳波を測定するとその周波数で脳波が出現していて脳波から見ると脳の方はある程度周囲の、認知が不可能なぐらいの情報も甘受しているようです。

そう考えると、身体的な動きや声の抑揚などを自分の中で、受け入れて再現していくうちに、相手の「頭の中で感じているものを再現する」ことはきっとあるのではないかと思うにいたりました。創造的な人の講演中に行う身振りや手振り、瞳の開け方、声の出し方、そういうものが、人を創造的な気分にする、それはたぶんそういうことなのではないかと。

そして、そういう人の話には、フロー状態のように、深く没入して時のたつのを忘れて、アドレナリンの快感と緊張に体が力を使い、そして終わった後、ぼんやりと脱力し、もっと聞いていたかった、もっとその素敵な状態に浴していたかった、と思う部分でも、似ています。


人間の思考状態というのは(ある条件を満たした環境下では)伝染する。
この仮説を一つの視点としていろんな物事を見たときに、少し見えてくるものや、新サービスのヒントがある、そんな気がします。

2012年03月17日

アイデアの質の構造(413のネーミング案)

先日、ブレインライティング手法を体験してもらうために、ある文具(ちょっとマニアックですが私が好きなギミックな感じのあるペン)のネーミング案を発想してもらいました。

その結果を、掲載します。

■ハイライト法の結果

ハイライト法の結果_20120316.jpg

ます、人数は、8人×3グループ(若干、揺れがあります、たぶん合計で23人です)。

時間は1行90秒ずつ(なので、所要時間は10分弱)。アイデアの総数は413個。(414個のはずなので、一つだけ、未記入もしくは紛失と思われます。)

アイデアを出した後、魅力度の高いものをグループ内で付けてもらいました。その結果が上の図です。

☆5=4アイデア (1%)
☆4=12アイデア (3%)
☆3=12アイデア (3%)
☆2=48アイデア (11%)
☆1=86アイデア (21%)
☆0=251アイデア (61%)

平均的なブレインライティング&ハイライト法に比べ、インプット時間も短く、発想時間も短く、かつグループのサイズが大きかったということもあり、少なめの評価ですが、大体、全体に対する☆の多さの構造としては、適正な結果になっています。

実際のアイデアも添付します。なお不道徳なもの、正しくないもの、もアイデア発想の幅になりますのでOKです、としました。チェックしたところ、公表するにはぎりぎりかな、というものもありましたが、それも含めて掲載します。

20120316_413ideas_.pdf

「おっすくん」とか「瞬書」とか、あるいは☆の低い所でも、「マンモスの牙」とか、なかなかおもしろいのがありますし、短時間で出し尽くすところまでやるので、もう無理やりとになく、思い浮かぶものを吐き出したのがわかるものもありますが、それでいいんです。

一つの製品に対して、玉石混合でも400近いネーミング案を出すとそこから数個は、いいものが出てきますが、今回もそういうケースになったと思います。
 
ご協力いただいた皆様ありがとうございました。


発想の題材にさせてもらった文具

■ ワークダッシュ

ワークダッシュ.jpg

握ると、ペン先が出る。
ネックストラップなどに着けられて、かちっと、ワンタッチで外すことが可能。
 

2011年12月25日

「Business Model Canvas」

「ビジネスモデルキャンバス」




Customer Segments(顧客)

Value Propositions(提案する価値)

Channels(チャネル、価値をお客へどのように届けるか)

Customer Relationships(顧客との関係)

Revenue Streams(収益の流れ方)

Key Resources(キーとなるリソースは何か)

Key Activities(キーとなる活動は何か)

Key Partnerships(キーとなるパートナーは誰か)

Cost structure(コストの構造)


※音が出ます 2分20秒




 ・・・

ビジネスモデルキャンバス、これは、『 Business Model Generation 』に出てくるビジネスモデルを作るためのツールです。

  


昔、目の良い友人が外国で見つけて買ってきたのを見せてもらったのですが、最近、このツールの話を国内でもいろんな場面で良く聞くようになりました。そういうトレンドをみるに、来年の夏とか冬には、このツールが、広く知られるような気がします。

これは面白い構造をしています。

両脇に、顧客と仕入れ先(正しくはパートナー)があり、中央に自社(というか、製品、ただしくは、顧客への提案価値)があります。両脇とは、2つのパスでつながっています。顧客とは、物流とカスタマーリレーション、パートナーとはキーとなるリソース、キーとなる活動(この辺は、イノベーションの占有可能性にでてくる、4つの要素の一つ”補完資源”の考え方にも通じるものがありますね)があります。そして、自社と顧客の土台に、収益の流れがあり、自社とパートナーの土台に、コストの構造がある。

シンプルですが、綺麗に多くのモデルを説明できる枠組みがあり、これをもちいて、アイデアをビジネスモデルに展開してくのは、一人でも楽しそうですし、ホワイトボードに書いてみんなでワイワイ言いながら埋めるのも楽しそうです。

(と、おもって検索してみると、Game Stormingにありましたね。)

この、「キャンバス」、PDFが公開されています。

http://www.businessmodelgeneration.com/downloads/business_model_canvas_poster.pdf

プリントアウトしておいて、あるいはiPadに入れておいて、「あ、このアイデア、ビジネスモデルに展開するとどうなるかな」と長い移動の間にでもアイデアを具体化してみるのに、使おうと思っています。

日本ではいま、新しいものを創ることが、とても必要になっているように感じます。これまでもそうでしたが震災の後その傾向が強くなったと私は仕事柄感じるのですが、ものづくりの発想は、良い手法がいくつもありますが、ビジネスモデルの方になると、簡単に楽しく発想という路線で行けるものは、ちょっと少ないのが現状です(無くはないし、本格レベルになればいいものはいっぱいあります。古典ですがスライウォツキーなんかもいいのですが)。その中で、この「ビジネスモデルキャンバス(の本である、ビジネスモデルジェネレーター)」は、広く活用されそうに思います。
 



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