IDEAPLANTは「発想を助ける道具」を作る組織です。ブレストの道具だったり、アイデア会議専用ホワイトボード紙だったり。
最近、FandroidというAndroid系の活動も私がしているので、すっかり、仙台では、Fandroidの人、という印象ですが、本業は本業でしっかりとやっています。最近、出張をしている中でも、「アンドロイドのアプリを発想する補助道具の考案」を進めていました。
すごく、荒い段階のものですが、プリンターとはさみ一本で作ったものがこれです。

数十枚のカードからなっています。いろんな文献やエンジニアの方の助けを借りて整理したアンドロイドアプリの要素技術をカードに切り取ったものです。
遊び方(発想道具としての楽しい使い方)を、作れるのか、が次のフェーズです。
オーソドックスな方法をまずは試してみましたがなかなか、ありだなこれ、という感じでしたので、簡単に紹介します。
使い方1:3card発想法
1)目をつぶって三枚引く。
2)三つを使ってできるアプリを発想する。
3)極力他の要素技術は使わないで済むようにしたいが、使っていたとしても、いったんよしとする。
例えば、上の写真では
14:二地点間の距離を測る
64:端末のモデル番号を調べる
61:端末の明るさを調整する
がでています。
これだけしか使ってはいけない、となるとかなり厳しいので、これを使っていればOK(他の要素技術を使ってもOK)、という条件で発想してみました。
「アプリを使って、使う知らないユーザ同士が人ごみの中でも出会うことができるアプリ」です。
まず、アプリにログインすると、他にログインしたユーザでランダムに近くにいる人をつなげます。ユーザ同士は、「相手の端末機種名」しか手がかりがありません。画面は周期的に明滅をホタルのように繰り返します。二人が近づくにつれ画面の輝度周期が変化し、近づいていることを感じることができます。相手の画面も同じ周期で明滅しますので近くまでくれば目視で、明滅する端末を見つけることができます」
こんな感じに発想します。
この3枚のカード以外の要素技術も使っていて、多分、習作を作る人には厳しい部分もあるでしょうけれど、「作るには、あと何が足りないか」を残りのカードセットから引出し、これは制作が簡単であろうか否かを、検討していきます。
或いは、このアイデアを少し改変して、派生アイデアを考えてみると「二台に分かれて高速道路などをドライブをする車同士の距離を計る簡便な道具」としてはどうだろうか、と思いました。
車同士が離れていくと明滅の周期が変わりそれを認知できる。スマフォの画面を見ることは違法でしょうけれど、視界の端っこでわずかに認識できる程度なら可能性はあるかもしれません。あるいは、明滅の代わりに音をつかうことで、問題はクリアーできるかもしれません。
使い方2:手を動かして仕組みを理解する
1)四人ぐらいで使います。カードを各自に分配します。ランダムでもなんでも結構です。
2)シンプルで、優れたアプリを一つ、題材として選びます。これは各自があげてその中から選べばOK。
3)自分の持つカードの中から、そのアプリに使われていそうな要素技術カードを選び出します。
4)もっとも大事だと思われるものを、場に1枚ずつ出します。各自が。(7並べに似ている)
5)順番が次々回ります。自分の番で、できるだけ、最初のカードにつながるカードを選びつなげます。基本的には時間軸的に、右に行くほど、後の処理になります。
6)自分の順番でカードを出していって、誰かがもう出せなくなったら、残りの出したかったカードを皆に見せて、つなげていきます。
この作業を通じて、勝ち負けをするよりも「これはどうだろう」「こっちの方がより適切じゃないかな」という話し合いをすることで、アプリを見た時にその裏で動いている機能を想像する訓練を主目的にします。
カードセットでは足りないものがあったり、何度も必要なのに一枚しかないモノがあったりして、苦しいと思いますが、完全でなくて良いとします。
時間軸上に処理がならべられて、時に分岐したり、分断したりしているような、そんなものが最後に出来がります。
これは、アプリを作らない人も含めてやると、なるほどこういうことができるのか、という知見も溜り、プロジェクト内で発想する時により具体的な発想を引き出せるでしょう。
内部向けに作ってみたものですので道具としては荒いものですがニーズがあれば近くの方は一緒にやってみましょう。