2010年12月22日

フードで没入感を導く

オフィス内で仕事中にフードをかぶることで集中を醸す、という人がいました。その人の感性はなんとなく似ているものがあったので、その言葉が意味するのはなんだろうと思い、フードをかぶって仕事をしてみました。すると、面白いことに、結構な集中力が得られました。うまく要因を言い当てることはできませんが、耳の周囲に壁ができて音のシャープネスが落ち、皮膚の表面の空気がフードとの狭い空間に留まることで自分の体温がキープされているという布団の中のような安心感と、視野の端に常に一定のもの(フードの端)が見えている、というあたりに何か、要素がありそうに思えました。

 

夏場は熱いのですっかり忘れますが、冬場は暖かいしなかなか、良い感じで過ごせます。特に首筋が冷えずに暖かく過ごせて、ひえからくる肩こり、頭痛の緩和の効果もありそうです。

 

いつか、この辺の集中の効果を調べて、それに即したような「集中フード」を作ってみたいと思っています。

 

しばらくは、要らない布などをつかってコンセプトモデルをつくってみようと思います。

家具作家、田中英一さんにお会いしました

デザインやモノづくりの分野の一部では、キッズデザインについて注目が高まっています。研究会が立ち上がったりする中で、集う人々それぞれに思いがあると思いますが、私はこう考えています。「子供に使いやすいデザインは、大人にも使いやすいデザイン。喜ばれるモノづくりをするため、楽しさや安全性やわかりやすさ、たぶん、創造性も、デザインの中に色濃く取り込むきっかけになれるのではないか」と。

 

そういう研究会の場に先日、講師として、ラボラトリー株式会社(所沢市)社長、田中英一さんが、来てくださいました。同社は、ファーストスプーン(離乳食用木製さじ)でキッズデザイン賞を受賞されている木工素材によるモノづくりをされている企業です。

 

ファーストスプーンは、最初に子供にご飯を食べさせる「お食い初め(おくいぞめ)」用のスプーンで、とても暖かい、有機的な形をしたスプーンです。首をもたげたネッシーのような形状をしています。

 

ishiirikie_blog_DSC05267.jpg

 

持ち手の所は肉厚でしっかりと重さがあり、スプーンの先は底面が丸く厚みがあり、スプーンとしてのくぼみはほんの少しだけです。

 

ishiirikie_blog_DSC05268.jpg

 

持ち手の部分を持ってみると、すっと手になじむ形です。持ち手の部分に重要量感と太さがあるので、重心が掌の中にはいり、とても安定した動作が行えます。握った手の親指の延長上に3センチぐらいの所にスプーンの先端がきます。下に向かってスプーンの首が下がっているので幾分手首を起こし気味にしてものをすくいあげるようになります。この有機的な形はすっと動かしやすく感じます。

 

重心が掌の中にあることで、子供の口に向かってスプーンを運ぶ時にもコントロールしやすく、またスプーンのくぼみが浅いことで唇の筋肉が未発達な幼児でもきちんと口の中に食べ物を残すことができるそうです。(通常のくぼみがあるスプーンでは、くぼみの中の食物はうまく取れずにスプーンに残ってしまうそうです。そういわれてみると、確かにうちの子の時に食べさせるときもそうでした。)

 

このネッシーの首のような形状と重心バランスは、スプーンを置いた時に、先端がテーブルに付かないという良さも有しています。通常のスプーンは裏返しておいたときに先端に近い首の部分が設置してしまい机に食べ物が付いてしまいますが、これは重心が、持ち手の太い部分にあるので持ち手だけが設置します。

 

何度も何度も、持ちやすさや口への運びやすさを試してこの形状が出来上がったそうです。

 

さらに、表面の加工にもよく考えられた素材が使われています。木をそのままに使うとすぐに悪くなるので、通常は木製食器には、樹脂系のコーティングがなされるところを、このスプーンは口に入っても安心な素材をしみこませてコーティングしているそうです。その結果、大人が使うような長い耐久性はないとしても、子供のお食い初めから、次の食器へ移行する期間はもつそうです。

 

私は、自分の子が歯固めをする時期に、樹脂のスプーンなどがぼろぼろになっていくのをみて、子供にとってこのスプーンはわるくないのだろうか、と思ったことがありますが、こういうスプーンであれば、ぼろぼろになっていくときに、素材的にも口の発達的にもよさそうに思いました。

 

また、田中さんがテーブルに面白いものを置いていました。

 

ishiirikie_blog_DSC05282.jpg

 

掌と同じぐらいのこの小判のようなもの、一体なんだろう、とおもっていました。名刺交換の際に伺ってみると、これは、

 

ishiirikie_blog_DSC05284.jpg

 

スプーンの先端の部分を模した模型だそうです。「幼児の口」と「大人の金属のスプーン」の大きさの比率を、「大人の口」と「この模型」の比率が同じだそうです。これを自分の口に近づけてみると、幼児の目には、迫ってくるスプーンがどう見えるかをすぐに理解することができます。

 

この工夫は、講演で人に見せるときにも、開発チームの中で体験を共有させるときにも、とても有効なものであり、私はとてもこのことも心に残りました。私たちのチームでは子供の手の平の大きさに合わせたカードを作ろうとしているのですが、子供の手のサイズと大人の手のサイズの違い、握力の違い、などを鑑みて、そのスケールで拡大したカードを用意することで、「子供にとって大きすぎる、扱いにくい道具である」かどうかを、大人にも体感できるのだろう、と思いました。

 

他にもさまざまなお話をしていただきました。鞄屋さんとコラボで作っている限定品のお話や、線感度スプーンという、子供が自分で使い始める時期のスプーンのお話も、講演の中でしていただきました。

 

セカンドスプーンは大人でも欲しいなぁと思うものでした。

 

ishiirikie_blog_DSC05280.jpg

 

普通のスプーンのようにも握ることができます。形状も優しいアールが付いていて持っているのが楽しくなるようなデザインです。

 

そして、側面にも絶妙な太さとアールが付いていて90度ひねって持つこともできます。

 

ishiirikie_blog_DSC05281.jpg

 

これは、簡単なようでいてとてもよく考えられている形状であることをしばらく触ってみて感じました。えを太い角柱のようにすれば、理屈としては、90度ひねってももてるスプーンになりますがそれではどちらのむきに握っても下側が大きすぎて握りにくいものです。また絵をえを円柱のようにすれば90度ひねってももてるスプーンになりますが、それでは握力が非常に必要な持ちにくいスプーンになります。手の特性を考えると「ある程度太い」と同時に「平らな面がある」という形状が好ましく、これはその特徴を兼ね備えています。また、いたずらに裏向きに握ろうとすると、握りにくいので、使い手は自然と正しい面を上にして握ることになります。指の腹がすっとそこに吸い付くような絶妙のアールがついていて、握ることが疲れない、心地よくなるスプーンでした。

 

また、講演の中ではお椀も作ったというお話もされていました。三角柱のような形状のお椀で、角は丸く加工してあるそうです。この形状は実は子供にとても使いやすいそうです。大人が使う丸いお椀を、子供がしょっちゅうひっくり返していますが、お椀の足の形状は倒す力に対して不安定な形をしています。下まで寸胴な形であることで倒れにくくなるそうです。また丸いふちからおつゆを飲もうとすると、唇をそっと添えるようなしぐさが必要ですが、子供の口の発達度合いからいってそれは大変なのだそうです。三角の先端に少し丸みをつけ、哺乳瓶の乳首から吸うような感じで汁を吸うことができるようになるそうです。

 

この点についても、非常に、はっとさせられました。大人が当たり前に使っているものが必ずしも使いやすいものではないのだと。また、哺乳瓶から食器に移行する乳幼児期には、それまでの形状デザインを踏まえつつ移行するということも使いやすさにつながる、ということ。この点は、新製品開発の中の事例にも似た示唆があり、しばらくその本質について考えていました。その事例とはエジソンの電球がドミナントデザインを意識してガス灯の中に設置するような形状を当初とっていた、というものです。エジソンの電球は当時革命的であったのですが、既存のインフラであるガス灯を無視して性能が最高に発揮される使い方を提案するかわりに、既存のインフラの中に埋め込まれるような形で電球の初期の普及を成し遂げています。幼児が身体的に成長することと、社会が新しい技術・デザインを受容していくことでは、意味が違いますが、なにか、生き物の発展の中に存在する本質として似たものがあるような気がしました。

 

このほかにも田中さんには様々なことをお話していただきました。楽しい話かたと豊富な事例、そして非常に科学的なまなざしでブラッシュアップをしていく姿勢など、多くのことを教えていただきました。ありがとうございます。

 

― ― ―

 

ラボラトリー株式会社

http://labo-style.com

 

2010年12月18日

「ブレストのルール」シール

アイデアプラントの開発チームのメンバーが、「ブレストのルールのシール」を、作ってくれました。海外のサービスを使って作ったそうで、この値段でオリジナル品ができるのか―、と驚きました。ブレインストーミングの原義に近い概念を、柔らかい短い言葉で表現しています。

ishiirikie_blog_DSC05598.jpg

(ルールは吹き出し型のもの。ほかに2つほど入っています。アイデアプラントのロゴと、アイデアを褒めるときのコメントフレーズ”それいいね!”が。)

サイズは、名刺(55*91o)にちかく、多分55*88ぐらいじゃないかと思います。(下の方に写っているのは、名刺と同じサイズのカードですので)。

シールになっていることで、面白い使い方があれこれ思い浮かびます。

当然、日本でも、シールとカタヌキをする印刷所はあるのですが、このシールのように、Webから入稿して、きれいなパッケージにしてくれる(それも少数で)、というあたりが、サービスの便利さ、おしゃれさで、抜きんでている気がします。

ただ、シールにする、ということの楽しさはわかりましたので、今度は国内の事業者さんと連携しながら、面白い可能性を模索してみたいと思います。特にこの冬取り組んでいる、「キッズ向けツール」などには、シールは相性がよさそうですから。

2010年12月15日

アイデア・カルタ(動画)

この冬、アイデアプラントが開発に取り組んでいる作品は「アイデア・カルタ」です。

親子で楽しくアイデアを考えるための道具です。

試作品の紙面デザインを以前、動画にしたものを公開しました。掲載します。


2010年11月07日

ゲームアイデアBrainstorm

永遠に非売品で、試作品レベルのカードなのですが、「ゲームアイデア・ブレインストーム」というカードセットをつくって持っています。時々、少人数で、ゲームアイデアを出す時に使っています。

Game_youso_card.jpg

アンフォーカス処理と色の加工処理をしています。

この道具については、将来、きちんとしたものを作りたいと思っています。(公開できるようなものを)。ゲームのアイデアを出すためのカードセットなので、ブレイスントーミングの道具としての側面と、ゲームという体験の要素を作る道具の側面があります。その意味では、パートナーを得て、「ゲーム要素」のセットをびしっと、ストックすることが、次のステージへの最大のステップになるんだろうと思います。時期が来ればきっと、そういう組み方が生まれる気がします。



ちなみに、手作りが、基本です。

tedukuri.jpg

私が自分でカードのワーディングをして、紙面デザイン(のごく簡単なもの)をして、カットをしています。

紙の素材によりますが、カッターとデスクマットでかなりきっちりやるときもあれば、はさみを使って荒く切ることもあります。

試作品でも高品質に仕上げよ、という、私にデザイン要素を植え付けてくれた友人の考え方にかなり影響されて、昔よりははるかに、きちんとした試作品を作っています(が、時間コストとの見合いもあるので、ほどほどのクオリティーですが)。

出張に出る前の晩に、カードを出力してカットしていると、「ああ、夜が明けていく」という体験をよくします。


2010年10月31日

シール、トリガー、楽しい研修のアイデア

シールに「発想トリガー」と「書き込むところ」を印刷したものがあったら、楽しみながら、アイデアワークを体験する研修コンテンツができるのではないか、とふと思いました。

アイデアワーク以外に「思考フレームワーク」とか「問題をプロセスに分解したその単位プロセス群」なども、いろいろ面白そうです。

IT真っ盛りの中でもアナログな「手ごたえのあること、〜 タンジブル」というのは、人間に楽しさ、理解負担のすくなさ、を提供してくれる、よいものだと私は思うので、いつも紙物から、考えてみています。

このシールの片隅に、ARタグや読み込んだときに、OCR解析でTagづけられるような何かを作っておくのもいいかなと思います。

たとえば、発想トリガーのセットをつかって、ワークをするときに、検索にできするように「Bizトリガー23」とか「Techトリガー17」という風に書いておいて後で全部OCRかけて、検索してしまえば、どのカードがたくさん使われたか、使われたカードごとに、まとめたりすることも楽です。

子供の発想ワーク用に試作した「アイデア・カルタ」については、どうもこの辺が面白い展開に向くような気がします。

アナログ世界 と デジタル世界。

この行き来をつなぐマシン(A⇒DとしてはScanSnapが。D⇒Aとしては、プリンターやiPad)が登場して活用されて始めている今だからできることがありそうです。


2010年08月06日

「子供と話そう!アイデア・カルタ」−期間限定配布−

僕が、長女のために作った「アイデアを出して問題解決への糸口を考えてみるカルタ」を公開しました。 

http://blogs.bizmakoto.jp/ishiirikie/entry/757.html

2010年08月04日

追加開発!製品化は一合目

昨晩は深夜まで開発ミーティングを行っていました。

まずは、さっと写真を(公開できるものだけ)のせてみます。
ideaplant_20100803_01.jpgideaplant_20100803_02.jpgideaplant_20100803_03.jpgideaplant_20100803_04.jpgideaplant_20100803_05.jpg


[これは]ある事業でクライアントと開発したカードツールです。本格的なプロジェクトアイデア創出ワークができます。

[しかし]短時間で、参画深度に差のある場で、さっと効能を体験してもらうことは難しいということが、実践の中でフィードバックされてきました。

[姿勢として]製品化後、使いにくさのフィードバックをもらえた時が、開発チームの分水嶺(ぶんすいれい)。私達は「無かったものを創る。喜んでもらえるように常に直す」文化でありたい。”これは仕様です”といってしまうのは簡単ではありますが、顧客への圧倒的な愛をもったチームの姿勢とはそれはまったく違う、と私は思うのです。

[そこで]どうしたら短い時間で、多様な参画深度の参加者が本質を体験できるか?についてブレストが始まります。

これまでに別のツール試作でつくったサイコロなども投入していじりながら具体的にアイデアを出します。

[案0]思いっきり手順を削る。全部を一山にしてシャッフル。上から一枚引いて、即興で発想していく方法。実際にやってみるとカードの枚数からそれは非常にオペレーション上難しいとわかり断念。別のアイデアを探す。

[案1]思い切りアイテムを減らす。発想に特化したカードのみを使って発想。これは実践的とわかる。他のカードはアドバンス用と位置づける。

[案2]各人が別の役を担う。自分の役の中から3枚選ぶ。このチームに良いと思うお勧めのカードを。あるいは自分が興味を引かれたかやってみたいカードを。そしてそのカードを順に説明していく。そのカードをよりどころにして考えを表出化させる。お互いの考えを知り、お互いの持っている知識情報をシェアしあう。

[案3]案1の発展版。発想に特化したカードでの発想ワークの後、アイデアの最も良いものを皆で1つ選び、その懸念事項を列挙。どうしたらそれを解消できるか、を残った別の役割のカードから選び出して説明する。一人が1つの役を専任する形で。

[抗し難い欲求に耐え]他にもいろいろ出たアイデアをざくっと削りました。どうしても作り手は盛り込みたくなる。駄目ですね、初めてのユーザにとってはそれではTooMuchInfomationになってしまいます。誰でも初見でできるぐらいじゃないと、よい道具は作れません。

[研磨剤はユーザにあります]なので、出さないことには始まりらない。どれだけテストプレイをしても、まだ研磨剤は足りない。というのも、大幅なそぎ落としはやはり実践のデータがあって初めてできるから。だから「創る」「出す」「削ぐ」という3つがあって始めて製品は強い製品なるのだと思います。


上記の書き方は、一見すると、それっぽいステップを踏んだようですが、製品によってこの話し合いの具体ステップはまったく違います。内蔵するアイテムの特性にも依りますし、平均的なユーザ像によっても違います。



その後は、新規のツール開発について話し合いました。

ideaplant_20100803_06.jpg



昔、高次農機能障害の施設の方向けに、世界で一つだけの特別版アイデアワークツールを作ったのですが、それを活かしてある分野向けのものを作ってみようとしています。

発案者としては、大体もう、これで出来上がりだな、という完成品水準でデザインしたものを持っていきますが、それらの多くはNG。というか1つも紙面デザイン的には残らない。その後、いろんな話題に飛びながら、次第にみえてきたものがありました。その最後の段階のイメージが、上記のカットです。アイデアプラントは、それでいいんだとおもいます。持っていたのは、あくまで、一貫した設計思想で一通り、「一人の人が完成させたもの」であって、それ以上ではないわけです。思い入れの強さは時に複雑にしたり、ユーザが価値享受できないのに正確さにこだわった構造にしたりしてしまいます。(よく、学術的に正しいけれど、わかりにくい、使いにくい、ということがありますが、それはやはり避けたい)。

この辺のイメージ具現化はその場で捕まえてメモしておきます。あとでなんて大きなロスです。醸成されたムードの中でさっと書き出すこの原案図が大事。後で考えてまとめるとどうしても、自分軸というか、自分色にセンターをずらして書いてしまいますので。


ちなみに、写真に現れないもう一つのツールもディスカッション。これはアイデアしかない段階のもので、それでも随分、「見えたな」というところまで、話がつむぎ出されました。ブレストには多分、まだ言葉でいえていないものを、その共有する時間と空気の中で、つむぎ出させていくようなところがあるようです。

昨日はそんな刺激的で、ひさびさに長時間の開発ミーティングができた夜でした。

2010年08月02日

はちのすボードの開発思想

はちのすボードについて早急に開発事例を論文にまとめないといけないのですが、今はまだ、バラバラのパーツをかき集めている段階です。こういう時に効くのは、ヒトリガタリ。心の中にある物を吐露する様に、頭に中の考えの断片を、多様な粒度でOK、曖昧な順序でOK、として出していく行為が効きます。

ヒトリガタリ。

■どんなシーンで使う物?
企画的な作業の初期段階、多様なアイデアや選択肢を生み出したい時に使います。

■だれが使う物?
企画系職種の方。商品企画や事業企画、あるいはアイデアを生み出す活動を一週間に一度はするような人。

■従来あった問題点は?
発想をひきだすツール"発想トリガー"は広い分野で効果があり実効的でもある。しかし発想トリガー・リストを端から見ていくのは時間がかかる。リストの上で視線を移動し発想観点を切り替えていくのは負担があり集中力を必要とする。そのためリストのはじめの方だけばかりを使ってしまう。
発想トリガー・リストをカード形状にするのはランダム性と一度に一つのトリガーに自然と集中できるので良いが、全体俯瞰ができず全体の中から訴えかける観点を見つけるのに時間がかかる。一覧にしようとすると机上に広げることになるが、これは作業の手間もかかった。オフィスなどでの手軽な実践には向かなかった。

■どう解決しようとした?
はちのす状のセルを配置、新しくつくった発想トリガーを、セルの中央に記載。従来の発想トリガーのうち、scamperフルセットをメインに、USITオペレータのテイストを幾分取り込みつつ修正。ビジネス用に表現を調えた。特に観点を振らせるのみのトリガーは、初心者には意味が取りにくいので単体で発想の引き金となるように表現を補完した。文字やラインは太くする一方で色を薄くし、認知上の矛盾要求を適えた。みようとすればすっと見える、見ないようにすれば情報が入ってこない、そういうデザインにした。



2010年06月30日

ゲーム要素パターンの大カテゴリー

ゲームの要素を分類して大カテゴリーにしてみたところ、12カテゴリーを形成しました。

具体的にはこうです。

クリック拡大)gameMAP2.jpg

表現は多少、曖昧さがありますが、なんとか要素のテイストをあらわす言葉を拾ったところこうなりました。



これをさらに意味的に近いものを類似していくと2つの軸で4象限に分かれるように分類できそうです。

具体的にはこうです。

クリック拡大)gameMAP1.jpg

横軸は「アート的 or ビジネス的」の軸です。
縦軸は「ファミリーでもできる or 大人向けの概念」の軸です。

各カテゴリーには1〜4(平均3)個のパターン要素が含まれる、といったカテゴリーです。

ヒットしたゲームをパターン要素で分解

鬼武者、バイオハザード、スーパーマリオ。

今、ある人にあげてもらったヒットしたゲームの名前です。

これを、ゲーム要素パターンでチェックしてみます。

■鬼武者

[訓練する][(武器を)育てる][先導する][取引する][潜入する][(未知の場所を)探索する][(人を)捜索する][破壊する][決闘する][狩る][なぞを解く]

■バイオハザード

[道を指図する][潜入する][(道の場所を)探索する][(人を)捜索する][競争する][脱出する][破壊する][獲得する][なぞを解く]

■スーパーマリオ

[逃げる][奪回する][破壊する][決闘する][狩る]

こんな感じに要素があるとわかります。

現在のゲームをほとんどしていないのでわかりませんが、私の世代のゲームとしては次のようなものがあります。

ドラゴンクエスト、マリオカード、バブルボブル。

これも要素を分解・抽出してみます。

■ドラゴンクエスト

[(主人公の力を)育てる][(メンバーの攻撃法を)運営する][導く][売買する][話し掛ける][潜入する][せ(潜在しているものを)引き出す][賭ける][魔法をかける][(未知の土地を)探索する][(宝や龍を)捜索する][交渉する][救助する][防御する][狩る][捕獲する][なぞを解く]

■マリオカート

[訓練する][競争する][逃げる][防御する][狩る][裏切る][だます]

■バブルボブル

[(上るための階段を)デザインする][駆使する][狩る][パズルを解く]


こうしてみると、自分が知っているゲームの中で得られる要素は部分的であるということがわかりました。

パターン集をみると、ここに現れない要素も結構あります。

[デザインする][演奏する][稽古をつける][ひそかに見張る][賭ける][交渉する][防御する][どんちゃん騒ぎをする][暴動を起こす][けんかする][捕獲する][(領土などを)獲得する][人をだます]

演奏するゲーム、さるげっちゅーのような捕獲ゲーム、見つからないように潜入するゲーム、賭け事のゲーム、ストリートファイトのゲーム、だましあいのゲーム、交渉のゲーム、どんちゃん騒ぎをたのしむゲーム、暴動を起こすゲーム、そういうものの中のヒット作品をもっと見ておくべきだと思いました。

追記

また、日本語の語感だと、違いの少ない動詞があってその分別は要らないものがいくつかあることに気が付きました。


また、お話作りカードの変化系カードとも高い類似性があり、特徴的でした。


追記2

似たものをまとめてみると、いくつかの大カテゴリーができました。具体的にアプライしてみるとこういうのはよくわかりますね。

ゲーム要素パターン=中程度の動詞

よくToDoリストを創るときに、一塊の作業を、もっとわけた短作業に分けて書くべし、というアドバイスがあります。塊のままでは手がつけにくい。仕事をWBS(ワークブレイクダウンストラクチャー)の一番下の階層までわけるのだ、と。

ゲーム要素パターンのカードを分析してみて、発見したのは、これの場合にはむしろ逆で、動詞、行動のパターン集なれども、一つ一つの動詞は「中程度」なものに構成しています。

「叩く」とか「ジャンプする」というWBSの最も下に当たる階層(3段目)のものは無く、WSBの1段目か、2段目に属するような、大きなくくりの行動が書いてあります。

カードが何をするものであるのかで、変わるでしょうけれど、大きなゲームのアイデアを作り出すときにはこれぐらいの粒度のほうが、具体的な部分を想像するときの余地があっていいようです。(とはいえ、まったく広すぎないもの大事で、この編の粒度がよくまとまっているとおもいます)。

興味深いです。

このあと、これの更に理解を深めるために、パターンセットを作り出すときの作業を追体験してみようと思います。

1)優れたゲーム作品を複数リストアップする。
2)それらの優秀な特徴を書き出す。
3)まとめて整理して、パターン集と比較する。

多分、日本のゲームに見られるものはよく分析対象になっているでしょうから、ほとんど、網羅されていると思います。ただし概念カテゴリーの切り方は、私が行うものと違うはずです。その違いに、ゲーム発想の道具としてのノウハウがあるはずです。何がそこに見出せるかわかりませんが、そこに光を当ててみようと思います。


こういうユーザが一番、道具を使いこなすことを、私達の製品ユーザを観察して、経験的にしっています。書いていない作り手の意図を緻密に割り出すようなユーザになることも、道具の優れた使い手の一つの特徴だとおもうのです。そこまでになれるのかはわかりませんが、良い知識を使いこなし、そこから更に知識を生み出せるように、頑張ってみようと思います。



カテゴリ
プレスリリース&メディア掲載(61)
ideaplant 作品(26)
一人ブレスト(20)
電子書籍コンテンツを意識して(2)
今日の一枚(2)
IDEAVote/アイデアを、チームでスマートに楽しく評価していくツール(45)
アイデアプラントの試作の目線(84)
知であそぼう(4)
アイデアプラント 1st (2005-2008)(251)
アイデアプラント 2nd (2009-2011)(580)
アイデアプラント 3rd(2012-2014)(122)
アイデアプラント 4th(2015-2017)(161)
アイデアワークショップ(&アイデア創出の技術&創造工学の講演)(356)
アイデア・スイッチ(38)
アイデアの技法(219)
メソッド&ハウツー(189)
研究(創造工学)/検討メモ&資料(119)
研究(創造工学)/発表論文&スライド(13)
TRIZ(143)
日記、価値観、仙台オススメ(434)
仙台(4)
Fandroid(11)
フリー・オートシェープ素材(ご自由にどうぞ)(2)
創造工学の絵本(5)
社会活動/全般(39)
社会活動/Five Bridge(11)
シリコンバレー(23)
面白法人KAYAC(9)
社会動向を見る(9)
カード・メソッド(todoとideaと会話をカードで可視化)(2)
研究(MOT)/検討メモ&資料(41)
研究(MOT)/発表論文&スライド(3)
ベンチャープラン「音co知心」(8)
MMJ(37)
事業化コーディネータのお仕事(165)
航海マネジメント・ツール(11)
道具考/pomera(6)
道具考/scansnap(14)
道具考/YUREX(1)
道具考/iPod touch(21)
道具考/ALL(32)
道具考/iPad(8)
ブレイン・ペーパー(1)
石井力重とは(9)
8月22日(13)
311special(5)
ideaplantに、お仕事を依頼してみませんか(9)
創業初年度の確定申告(8)
こども用(4)
iPad+アイデアワーク(10)
旅先にて(11)
Finland(5)
新しい知識を学ぶ(1)
ブレストカフェ(2)
気づきは仮説に過ぎず。だが表現すべし。(1)
アイデアプラント・ノート(1)
加藤昌治さんと石井力重の「往復書簡」(4)
ファシリテータの小ネタ(1)