2011年09月13日

試作品)スマートフォンの習作アプリのアイデアを発想する道具

IDEAPLANTは「発想を助ける道具」を作る組織です。ブレストの道具だったり、アイデア会議専用ホワイトボード紙だったり。

最近、FandroidというAndroid系の活動も私がしているので、すっかり、仙台では、Fandroidの人、という印象ですが、本業は本業でしっかりとやっています。最近、出張をしている中でも、「アンドロイドのアプリを発想する補助道具の考案」を進めていました。

すごく、荒い段階のものですが、プリンターとはさみ一本で作ったものがこれです。

Android_DSC00487.jpg

数十枚のカードからなっています。いろんな文献やエンジニアの方の助けを借りて整理したアンドロイドアプリの要素技術をカードに切り取ったものです。

遊び方(発想道具としての楽しい使い方)を、作れるのか、が次のフェーズです。

オーソドックスな方法をまずは試してみましたがなかなか、ありだなこれ、という感じでしたので、簡単に紹介します。

使い方1:3card発想法

1)目をつぶって三枚引く。

2)三つを使ってできるアプリを発想する。

3)極力他の要素技術は使わないで済むようにしたいが、使っていたとしても、いったんよしとする。


例えば、上の写真では
14:二地点間の距離を測る
64:端末のモデル番号を調べる
61:端末の明るさを調整する
がでています。

これだけしか使ってはいけない、となるとかなり厳しいので、これを使っていればOK(他の要素技術を使ってもOK)、という条件で発想してみました。

「アプリを使って、使う知らないユーザ同士が人ごみの中でも出会うことができるアプリ」です。

まず、アプリにログインすると、他にログインしたユーザでランダムに近くにいる人をつなげます。ユーザ同士は、「相手の端末機種名」しか手がかりがありません。画面は周期的に明滅をホタルのように繰り返します。二人が近づくにつれ画面の輝度周期が変化し、近づいていることを感じることができます。相手の画面も同じ周期で明滅しますので近くまでくれば目視で、明滅する端末を見つけることができます」

こんな感じに発想します。

この3枚のカード以外の要素技術も使っていて、多分、習作を作る人には厳しい部分もあるでしょうけれど、「作るには、あと何が足りないか」を残りのカードセットから引出し、これは制作が簡単であろうか否かを、検討していきます。


或いは、このアイデアを少し改変して、派生アイデアを考えてみると「二台に分かれて高速道路などをドライブをする車同士の距離を計る簡便な道具」としてはどうだろうか、と思いました。

車同士が離れていくと明滅の周期が変わりそれを認知できる。スマフォの画面を見ることは違法でしょうけれど、視界の端っこでわずかに認識できる程度なら可能性はあるかもしれません。あるいは、明滅の代わりに音をつかうことで、問題はクリアーできるかもしれません。



使い方2:手を動かして仕組みを理解する

1)四人ぐらいで使います。カードを各自に分配します。ランダムでもなんでも結構です。

2)シンプルで、優れたアプリを一つ、題材として選びます。これは各自があげてその中から選べばOK。

3)自分の持つカードの中から、そのアプリに使われていそうな要素技術カードを選び出します。

4)もっとも大事だと思われるものを、場に1枚ずつ出します。各自が。(7並べに似ている)

5)順番が次々回ります。自分の番で、できるだけ、最初のカードにつながるカードを選びつなげます。基本的には時間軸的に、右に行くほど、後の処理になります。

6)自分の順番でカードを出していって、誰かがもう出せなくなったら、残りの出したかったカードを皆に見せて、つなげていきます。

この作業を通じて、勝ち負けをするよりも「これはどうだろう」「こっちの方がより適切じゃないかな」という話し合いをすることで、アプリを見た時にその裏で動いている機能を想像する訓練を主目的にします。

カードセットでは足りないものがあったり、何度も必要なのに一枚しかないモノがあったりして、苦しいと思いますが、完全でなくて良いとします。

時間軸上に処理がならべられて、時に分岐したり、分断したりしているような、そんなものが最後に出来がります。

これは、アプリを作らない人も含めてやると、なるほどこういうことができるのか、という知見も溜り、プロジェクト内で発想する時により具体的な発想を引き出せるでしょう。


内部向けに作ってみたものですので道具としては荒いものですがニーズがあれば近くの方は一緒にやってみましょう。

2011年08月27日

「もし会議嫌いが議長になったら」会議手順の検討

アイデアプラントの試作の目線、というブログカテゴリーに久々に、書きます。

以下の体験を通じて、会議道具を作りたい、と思っています。

最近、IT団体のリーダーたちの組織した活動で、理事長をしていて、会議を進行することが、たびたび出てきました。個人的には私は会議が好きではありません。創造的に刺激しあう話し会い(ブレスト)は大好きですが、それ以外の会議部分には、出たくないたちです。仮に12人が2時間費やすとすると、24時間分の人的資源を使っているわけで、その時間があれば、かなりの事ができたはず。何かを創りだせたはず。組織行動論からいえば、人数が増えても、生産性ロスがあり、人数に正比例はしません。3人で議論するのと12人で議論するのでは、4倍意見をだせるかといえば、口という物理デバイスを使う以上、それは無理です。

会議を進行しながらも、できるだけ、リソースを最高活用して参加者も参加することで達成感があるようなものにしたいと思いました。

少し試してみて、手ごたえと、次はこうしてみようというのが見えてきて、(まだ、見えてこない改善したい点もありつつ)、こんな手順と道具を考えてみました。

STEP1)議題カード

多様な案件が走っていて参加者一人一人が思いつくままに出していくと、重要案件がすべて議論できないでタイムアップになるケースがあります。それを改善するためにこうしてみました。まず、メンバーに3枚程度、メモカードを渡します。3分ほど各自で書いてもらいます、今日、議題としてあげたいことを。(事前に、ある程度、情報交換サイトで、議題は上げてはいるのですが、改めて。)

STEP2)重要緊急ボード

テーブルに、2軸を書きます。X軸に重要度。Y軸に緊急度。この2軸で区切られる4象限に、それぞれのカードを置いてもらいます。

C=緊急だけれど組織の中心命題に照らして重要度は低いもの
B=緊急ではないけれど組織の中心命題に照らして重要度が高いもの
A=緊急度、重要度共に高いもの
D=緊急度、重要度共に低いもの

これらに、置いていきます。ある程度、直観的にさっとやります。

傾向として、中身は
Dは報告系が多いです。
Bは計画系が多いです。
AとCは問題解決・意思決定系が多いです。


STEP3)ABCDの順に話す

会議の始まり時点でそろいきっていない場合は、初めにDをできるだけ行い、全員がそろった時点で、ABCDの順に頭からダーッとやります。

なお、1つあたりの目安時間は、「想定する会議時間」/「議題の数」になります。例えば90分/19議題、のような感じです。なお、1つあたりが5分を下回ると、議論が不十分すぎるので、その場合は、議題を減らします。総時間90分の場合、5分×18議題、が妥当な線です。それを超えたものは、議題にいれず、書面などでの情報共有に。

ただ、非常に重要度の高いものは、10分から20分ほどとる必要もあるので、実際にはもっと、議題を減らす必要があるでしょう。経験則ですが、1議題=10分ぐらいの計算で行くと、だいたい、平均するとあっているようです。(もっと、改善できると思いますが)。

或いは、D=10分、A=20分、B=20分、C=10分、と設定して30分を1案件の熟議に使う、というスタイルもいいかと思います。


以上がステップの話でした。

会議には、5つのタイプがあります。

1)計画会議
2)報告会議
3)問題解決会議
4)意思決定会議
5)振り返り会議

1と5は、プロジェクトの境目あたりにだけ多いので、一度外しておくと、2,3,4がよく出現する会議スタイルです。

2)については、1対多でも、十分いけます。報告件数が多い場合は、書面・ITとのミックスがいいでしょう。
3)については、13人もいても十分な解決案の列挙はしにくいもの。そこでこういう時には、主要な意見を1,2個聞いて、その後、短い、マイクロブレインストーミングを3人一組で行います。で、そのアイデアをざっと募り、良いものを選び取る。そうすると、沢山のアイデアの中から、良いものを得られるでしょう。
4)については、人数が多いほうが有効でしょう。これは全員でも行けるでしょう。究極命題かそれから演繹したルールをぶれずに使えると速いでしょう。

振り返ってみると、人数が7人を超えてブレストをしてみようとしても、そもそも難しいわけで、「これについてアイデアの有るかたは?」と聞いても出しにくいわけです。ブレストの阻害要因にもろにあたりますので。

後は、1)についてですが、これは、どうでしょう。ここも、ある部分はブレストなのですが、FBS(フリップボードブレスト)がいいかもしれません。考えてもらうお題を説明し、5分で紙に書いてもらい、セーノで出してレビューしていく。

そんな感じに、会議のやり方を、筋肉質にしてみたいと思います。



なお、熟議をする、ということも大事なのですが、それは、お酒を入れたり、おしりを気にせず集まれる場を、会議の後に作るのがいいのかもしれません。ここについてはまだ、明確に、見えていません

2011年08月25日

ブレストの道具を作ることはそう難しくない、という話

アイデアプラントではブレストの道具をよく作ります。製品になるものもあれば、一瞬で役割を終えるものもあります。

後者でいえば、かなりいろんなものがブレストの道具には、なるんですよね。その場限定、その時限定で、良いというならば。

たとえば、岐阜の夜、会津の佐々木さんと飲みながら話していてiPadの裏のメモスペースに書きつけたメモには、こうありました。

━━━━━━━━━━━━━━━
 ゲーム
  3つの要素を切り出すワーク
   ↓
  パターンカード化
   ↓
  ブレスト要素カード
━━━━━━━━━━━━━━━

これは、たしか、ブレストの中でゲーム要素をブレストする場合に役立つ道具がこうやったら作れますよね、という会話をしていた時の物です。

1)皆でいろんな優れたゲームをリストアップして
2)ゲームごとに、面白さの要素を三つ書き出す。
3)引き出しそうな感じの強いものに各々が☆を付ける
4)それらを似たものでまとめる。
5)ブレストで使えるような適切な要素化を行う。
 (基本的に1単純化、2粒度を整える、3五十個以下にする)

多分、うまく行くかどうかは、☆のつける度合いに寄りそうです。
出して評価して束ねるという作業は後半には高度な創造的編集作業が要ります。自己矛盾的概念ですが、編集も創造的な作業です。この辺の部分は何度かやるとなれます。


この主題を「ゲームの着想」にしたのでこうなりましたが、これを別のテーマにすると別のブレストの道具を作ることもそう難しくありません。

発想トリガーとかパターンカードとか、その辺のアプローチがこれですが、外にも6色ハット法にちかい感じで、明確な役割の生成も、ブレストを盛り上げるのに使えます。

その辺の話もまた、ゆっくり書きたいところではあります。

2011年04月02日

【試作】こどもブレインストーミング

着想から、形(試作品の初期デザイン原稿)まで、一気にやってみました。約36時間。

こどもブレインストーミング、をコンセプトにした「アイデアの種」というキットです。

こどもブレインストーミング.jpg

親子で楽しむことを前提に作りましたが、小学1年生の学力があれば、子供だけでもつかえる前提でつくりました(ただし、「ゲーム」ではなく、アイデアを考えることの楽しさが推力なので、効果的に使えるかは個人差は大きそうです。

子供たちが多面的にモノを考える(創造的思考の入り口だと、私は思うのですが)ことを、ちょっとだけ、助けるような道具です。明日は、出力して(意外とこれが今の私には難しい)、ちょっとうちの子供たちでテストしてみます。

2011年03月31日

創業二年目の最後の日も、アイデアツールの考案をして過ごしていました

2011年3月31日。創業から丸二年です。二年目は最後の最後で、この大きな出来事がありましたが、それも乗り越えて、無事、終えることができました。事業に協力してくださったパートナーや商品を買ってくださる方、アイデアワークショップにお招きいただいた方、コンサルティングのご依頼をいただいた方、皆様のおかげです。ありがとうございました。

最終日の今日は、この時期にだからこそ、作りたいアイデア発想ツールを、考案していました。

アイデアのタネ.jpg

気楽にアイデアを出し合う時に、それをほんのちょっと助けてくれるような、あっさりしたツールを作りたいとなあと。

東北に限らず、日本全体が、制約を乗り越えて進まざるを得ない中で、従来通り、ではうまくいかないことが頻発します。新しいことを考えなければならない、問題を解決するアイデアを見つけなくてはならない、そんな話し合いの場面で、アイデアの種を開封して取り出すと、話し出すきっかけが生まれる。そんな道具を、新しい発展を遂げる今の社会に届けたいなあと。

内容物は簡単な物なので、すぐに作ってみようと思います。

2011年03月27日

テーマ設定ワークの道具も

優れたアイデアワークには、「4つのフェーズ」があります。

【設定】テーマを適切に再設定する
【発散】アイデアをたくさん出す
【収束】上位の優れたアイデアを抽出する
【強化】アイデアを強化する

2007年〜2010年までで、【発散】【収束】のフェーズのツールを作り、2011年は【強化】のフェーズを作る予定でした。しかし、この度の社会インフラの混乱で全国へ出ていく仕事ができないでいまして、むしろ作っておきたい道具をどんどん作る時間が手に入りました。

そこで、ずっと温めていた【設定】段階のツールの、最初の本当にラフな段階の試作にも今日は、取りかかってみました。

refiner.jpg

これまで、アイデアワークショップの何割かでは「良いテーマを設定するためのワーク」を入れていましたが、それを補佐する道具となるものです。

”かける!”と思って書き出してみると、1シートになりました。写真はそれを一度描きなおしたものです。

もうすこし余裕を持った紙面でもいいのですが、ワークショップ用のツールとしてならば、まずは及第点かなと思います。これを、ブレスターのように、一人歩きが可能な道具にするとなると、情報が足りません。必要な情報をどう入れようか、思案しています。この場合最適な情報の入れ方は、カード、シート、あるいは、ビデオ動画、なんだろうか、と。

作ってみて、わかったのは、作ってみると「具体的に足りない点がわかる」ということです。当たり前のことなんですが、それをはっきりと、手に取って感じたのでした。

このところ、紙面構成案を一発目からPCで作ってしまうスタイルを一時休止しています。ペンと紙。これでやって、何度も紙に書いてみて感触を確かめています。多くの先人に見られる回帰行動を自分もまた自然としています。

この後も、何度も何度も、直して、作って、廃棄して、をしていくでしょう。

”石井さんの仕事って何が本業ですか?”と効かれると”ツール作家が私の仕事の本質です”と答えていいますが、このところ(3月10までの意味でのこの所)、各地・各社へ呼んでいただいて、すっかりワークショップ講師業のようになっていましたが、やっぱり、私の、社会への価値の返し方は、道具を作るしかないのだ、と思っています。

作る。作品を提供する。ワークショップを提供する。得たことからまた作る。そういう日々を、ずっと、ゆきます。


(余談)

最近、よくこのフレーズを思い出します。

「欲しいものは、作るしかない。」

いつか遠い日の平和なある年のお正月に2分にCMがありました。ビール会社のミュージカル風の2分間のCM、「ないものは、作るしかない」。いろんな人が、いろんなものを、作る社会になるでしょう。多くのものを無くしましたが、この段階に立ってしまうと、人間は強い。ないものは創るしかない。願わくば、21世紀初頭に我々が行き着いてしまった”物質的豊かさ”とは違う、新しい発展を、皆で遂げたい。そう思うのです。

アイデアを強化をするワークをガイドするツールを作っています

このところ、他の作業と並行して、読書と思索と試作にかける時間をたくさんとっています。

アイデアプラントのツールには「ブレスター」「智慧カード」などの「アイデア発散系ツール」があり、次いで、「IDEAVote(アイデアボート)」という「アイデア収束系ツール」がありました。

アイデアワークには”発散”・”収束”、その先に”強化”がありますが、この「強化」の部分にあたるツールの開発を今年のテーマにしています(年初のブログで書いたPPCOツールです)。

これをこのところ、ずっと構想していました。

私のツール作りの典型の1つには、まずは「プロセス」を「タンジブル(手に触れる)」なものにしてみる、というものがあります。物体に担わせ、何度も手でさわって、実際にそのワークプロセスをやってみて、何度もやってみて、徐々に道具としての輪郭を描き出していく、というスタイルです。

それで、まず最初の手触りある物体を、こういう感じに作りました。

ideawork_tool_phase4_01.jpg

手のひらにすっと納まるようなアクリルのケースに作業ステップを書いたカードを入れています。めくると中にはサブツールが描いたカードがあります。100円チョップで買ったアクセサリー入れです。

これが、カードの一枚ぺらではないことで、アイデアが徐々に醸成されていきます。一つの作業が一つの手ごろなアイテムとして空間的な体積を持っていると、とても認識力が上がって、チェスのコマのように並べたり、重ねたりしながら、視覚的にアイデアを考案することがでできます、私の場合は。

数日間、それを机の上において、他の作業でも道具として使ってみたり、なんども位置を変えたり重ねたりしているうちに、ふっと、具体的なアイデアが見えた時にありました。今回はA4の専用シートのセット、がいいな、と。

それをまずあらあらの状態で書き起こしてみました。

ideawork_tool_phase4_02.jpg

書いてみると、具体的に考えられます。書いていくほど、アイデアが輪郭を帯びてそれが示唆となって筆が進みます。

この試作002バージョンは、最終的にはほとんど生かされないものであることも、経験的に知ってはいますが、これが最後の仕様であるという気持ちで書かない限りは、先に進む踏み台になれないので、この辺は私なりにかなり丁寧に書いてみました。

このツールは、沢山世の中に出るものではないので(ブレスターだってそうそうたくさん出るものではない製品ですが、今回のは、それに輪をかけて少ないものなので)ある意味、A4のチーム進行を備えたワークシートでもいいかな、とも、今の時点では思っています。

最終的にどうなるかわかりませんが、私たちがいなければ無かったはずのものを、精一杯に作ってみようと、思います。

(これを一通り作ったら、更にさらに前に進めたい仕事もありますし。)




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