2010年08月22日

円熟は良い。しかし情熱と行動を。

本日、37歳になりました。昨年の誕生日、私が私に送った問い

37歳の自分へ

「お客さんへの圧倒的な愛が、
 製品のフォルムに宿る」
そんな仕事を出来ていますか?

について、しばし、考えていました。

多分、いつもいつも、そう考えている石井ではありますが、その思いの強さが弱いときや強いときがあるのも確か。それは例外なく心の中心においておくことではありますが、それだけでは、時々、突破口を穿つ槍の鋭さが、にぶくなっている気がしていました。それって何だろう。そんなことを夏の間思っていました。

最近、自分の心にあることを、ざっくり拾い上げてみました。

・流れを読めば機会あり

(日本社会は人口減少・経済縮小の中にあります。どの産業もしぼむビジネスにあえいでいます。閉塞感。そしてそれは長期にわたるもの。そんな大きなトレンド感をもっていると、創造的努力やそのベースとなる信念、意志の力、を沸き上がらせ難いものです。しかし、どんな時期にも、時流を読めば機会はあります。例えば、ある制度の導入が5年後に確定的、といわれているなかで、その研修キットを開発・製品化した事例が報じられました。なるほど、この事業はきっと一定規模の新規事業として立ち上がるだろう、と想像できます。時流を読めば、つねに変化はあり、そこに先回りして棹差せば、生まれる流れを自分に引き入れることは可能。変化のない社会では、新しい流れの誕生、という減少は乏しいですが、今は、変化が常につづきます。それが「下り坂」というものであって、人口の減少、企業の退場といった形で、変化が起こり続けます。それに伴い、「これから生まれる新しい流れ」をいち早く察知して、そこに先まわりして流れに掉させば、多くの水が流れ込んでくる。縮小社会も「新しい流れ」を生み出すエンジン。)

・残りの日の中で、一番若いのは今日である。大概の事もはじめるのにもっとも条件がいいのは今日だ。

(打てる手数がもっとも多いのは、時間が沢山あるときです。自分が生涯でもっている時間は、今日が一番多いです。なにか、新しい取り組みをするなら、今日、初めよ。”体制の整う時まで待とう”という台詞は、心理的惰性の産物。やたらと、とりあえず様子見、をつかうのは、バッターボックスでノーカウントからフルカウントにするようなもの。一打席目、一球目から、ふるぐらいがいい。若者特有の行動は、ワカモノでなくなる世代こそ、必要。)

・回転軸を作る人は一見、八方破れに見え、しかし、緻密。多くの人は逆だ。

(これは、京都のある産学連携の支援者を思い浮かべて書いたメモです。あまり熟した考えではないかもしれませんが、勢いや奇策の価値を忘れないために、やはりここに残しておきたい。力のある人が、全国から、彼のもとに一斉に集まる日があり、彼の作り出す回転軸の存在感を感じ取りました。神出鬼没な人ですが、そして内容も奇策といわれなくもないですが、それは成功するなら奇策ではなく、因習にとらわれない新しい戦略パターンが出来上がった瞬間である、とおもいます。奇をてらい失敗するのが「奇策」とのちによばれるのだと、私は思います。本質を強く打ち、しかも、その影響の及ぶ範囲を見通し、それらに細やかな配慮をしています。)

・捨て、一点を強く穿つ。そのベースには優先順位付け。そのベースには評価軸を明らかにする。がある。

(これは、 http://ishiirikie.jpn.org/article/40244426.html に詳しく書きました。新規事業創造の肝になる部分は、一点突破。そこにいたる活動になかなか口火をきれないでいるのは、根源的には「評価軸(あるいは価値観)が明確にできていない」こと。もし、評価軸があきらかになっていれば、優先順位がつけられる。優先順位がつけられれば、穿つべき一点をさらにしぼりこんで、すくない人材で十分に穴をあけられるほど、錐(きり)のようにほそく絞り込んで、一気に突破することができます。進入した暁には穴を広く開ける。それら事業創造・事業成長の大前提には「評価軸を明確にする」がある。新しい取り組みに、まごまごして、なぜか踏み切れないとき、仮説でもいいから、評価軸を作ってみる。具体的に評価基準を作ってみると、それが違っていたとき、人はそうと知ることができる。なので、仮で作り評価する。まずは、そこから回転しはじめます。)

・心豊かな社会への基点は「愛される経験を持つこと」にあり。

(心豊かな社会は、どうすればできるのか。ずっとずっと考えていました。仮説に次ぐ仮説をいくつもへていく論理展開なので、その確からしさは、石井の信念によるところ、としかいえませんが、私は次のような構造だと思います。
-人は誰かから愛される。
-愛される経験があるから人を愛するようになれる。
-人への愛が大きくなり、社会を愛し志しが生まれる。
-実現するために尊敬される企業ができる。
-尊敬する・される関係が沢山ある社会になる。
-その結果、心豊かな社会が生まれる。
最後の所は、もうすこし分解能を上げると、こうです。
心豊かな社会の本質は、物の財や飢えない食料の豊かさでは到達しない。尊敬する人が沢山いて、自身が尊敬される。そういう関係が織り成す社会が心豊かな社会の本質。)

・円熟は良い。しかし情熱と行動力への重しにしてはいけない。

(最近、思うのですが、すこし精神的な円熟味を帯びてきた気がします。自分でそういうことを言うのでまだまだ未熟であろうと、安心しますが、でも、他者への愛を常に考え続けると、次第に、安寧とか穏やかになり、なんというか、「情熱や行動力」のエンジンの回転数を下げるような影響もある、とふと感じました。これは二律背反ではなく、円熟かつ情熱、円熟かつ行動、というのは十分成立しえるのですが、ぼんやりとした心構えでいると、シーソーのように、他方があがれば他方が下がる、になってしまうところがある。そういう上手くないデザインではいけないわけです。創造には常に強い意志の力が要るし、情熱も大事です。円熟は、ブレスト的に言えば、後半側の「批判思考/ブレーキ/冷水」や「アイデアの強化部分」にあたる要素をたぶんに持っています。一方、情熱は、ブレスト的に言えば前半側の「創造思考/アクセル/熱湯」や「未成熟なアイデア(wild idea)の創出」にあたる要素をたぶんに持っています。両方大事。両方必要。ただし、時間で分けること。特に、いつも「冷水」は顔を出したがる。・・・そんな感じのことを、非言語的に考えていました。円熟という心理様式も、時には、すこし押さえてブレストする。荒れてもやってみる。それが大事だと思います。)


ことしの「8月22日の日記」は例年よりも、まとめられていません。しかし、それが今年の8月22日の事実の姿です。あえてそぎ落とさずに、このままのせます。


さて、最後に、38歳の私へのメッセージです。

・縮小社会において、チャンスとなる流れを見出していますか?

・開発において、評価軸をもち、情熱的に動き、深い愛をもって仕上げていますか?

・顧客が一点突破できるよう「創造支援」してますか?


(今年は欲張って、3つにしましたが、来年からは、絞った1つにするべきです。増やしたものを習慣にしてはいけません。贅肉と目標はほおっておくとおいたら増えて動きにくくなるもの。)
posted by 石井力重 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 8月22日

2009年08月22日

どれほど多くのものを、参加してくださる方に、渡せるだろうか

2009年8月22日。本日で36歳になりました。

石井力重_アイデア創出の技術

昨日の仕事中の一コマです。老舗の某メーカ企業さんの中で行った講義「アイデア創出の技術」をしている時の私です。
(参加者の方の肖像権に配慮して、すこし画像処理をしています)

このときの感想は、機会があれば、お客さんからいただければ、
差し支えない範囲で報告したいと思います。


いま、このブログを書いている場所は、
名古屋の東急ホテルの14階です。
エグゼクティブフロアー、といって
フロアーの入り口にセキュリティーのあるようなところです。

クライアントさんが用意してくださったのですが
今の私には、過ぎたる破格の待遇です。(ありがとうございます)

講義や創造工学ワークショップの仕事で、
私は全国を行きますが、非常に牧歌的な所に行った時は
一泊3000円もしない所に泊まることもあります。
セキュリティーどころか、鍵も怪しい、そんな宿も。
私の身の丈に合った宿はどちらかというと、
そういうところかな、とも。


全国で、いろんな人と出会います。

多くの人とは、人生においてたった1日だけしか接することが
できないわけで、私はその2時間なり一日で
「どれほど多くのものを、参加してくださる方に、渡せるだろうか」
と自分に問うています。

『伝えたい思いがある。』
という強い情念がなくなったら、
こういう仕事はできないと思うんです。

36歳の自分が未来の自分へ伝えたい今、とは、
そういう気持ちで仕事をしているよ、ということです。

毎年、誕生日は内省的なことや未来の自分へのメッセージを
書きますが、次の一年はどうでしょうね。

37歳の自分は、一年前の自分をどう感じるのか、分かりませんが、
願わくば、志しを極めて社会を豊かにする生き方をしていてほしい、と思います。

ちなみに「志しを極めて社会を豊かにする生き方」と書きましたが、
これが「私の考える”しごと”(志・極・豊)」であり、
「私なりのノーブレス・オブリージュ(プロは社会的であれ)」
だと思っています。



37歳の自分へ

「お客さんへの圧倒的な愛が、製品のフォルムに宿る」
そんな仕事を出来ていますか?




過去の8月22日の記事(2006,2007,2008,2009)
http://ishiirikie.jpn.org/category/792940-1.html
posted by 石井力重 at 06:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 8月22日

2008年08月22日

非才なるも「徹信」が一流を持たらす

才能がある人のことはよく分からない。
無い人の場合について考えた。

才能のない人は、一流になれるか、なれないか。


救われた命を奇跡を思い
自分の仕事を使命と信じたら
その人の仕事は、一流になる。


命すくわれる経験をしなくとも、
徹底的に信ずることができたら、
一流がもたらされる。

凡(非才)なるも、徹底的に信じる、が一流をもたらす。




今日、8月22日で、35歳になりました。
開発参考資料としていじっていた
ニンテンドーDS(13歳のハローワーク)の
画面を見つめながら思った
35歳の最初の感想でした。

いよいよ、30代が後半に突入しました。
「40代」を意識し始める初めての経験です。
精神年齢が子供のままなので、自分が30代であることに
やっと慣れてきたぐらいなのに、もうすぐ40代がくるんですね。
5年後くらいには「ちょいわるオヤジ」なんて言葉はなくなっていて
その時代なりの「40代・50代をエンジョイしよう」という
コンセプトがあるんでしょうね。
むしろそれを創造する側になっていたい、ふとそんな気もします。
そういうビジョンを思い描くと、歳をとるのも
なんだか楽しみなような気がします。
posted by 石井力重 at 02:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 8月22日

2007年08月22日

「覚悟」は「不安」の暴動を制圧する。

8月22日。今日は34歳の誕生日。はじめてブログを書いてからちょうど丸三年。

実家の母親に、ノルディックウォークのポールをプレゼントしました。足の負担が減って全身の運動量はむしろ増えるという、ウォーキングにとてもいい道具です。たまには、誕生日を「生んでくれた人へ感謝する日」と考えてみるのもいいですね。


さて、「不安」を無害化するための工夫、について書いてみたいと思います。「現代という不安を生きる」人々への、あるいは自分自身への、メッセージとして。


1.不確実要因(あるいは情報の無いこと)が不安をもたらす。

人間誰しも不安はあります。人間の社会には知らない情報や出来事が沢山あります。生きていくということは、そういう不確実の中で常に何かを選び取っていく(意思決定していく)行為の連続です。それはすなわち、絶対に100%と保障できる選択肢は本質的にない、ということ。

不安の要因は、いくつかあります。まず、「知らないこと」「持っていない情報」というのがあります。加えて更に大きいのは、「未来」です。未来という「不確実な状況」がいつも自分の少し先にあることです。「一年後」はいつでも誰にでも存在します。

2.経営・計画・予測は不確実要因を減らすが、完全には不安の無害化はできない。

未来を不確実な状況たらしめないように、人間はあれこれと努力もします。分析をして未来予測をします。一種の経営という行為をおこなってリソースの最適運用を行い、未来を計画的に作れる段取りもします。沢山勉強したり情報を集めて、極力、意思決定に不確実さがないように努力もします。

しかし、本質的に、未来とはは「まだ起こっていない状況」であり、多かれ少なかれ予想通りにならない可能性を必ず含みます。高い確率でうまくいくように計画された取り組みは、あくまで「高い確率」なだけです。情報収集もそうです。完全に100%の情報を集める、というのは不可能です。人間ができることは「なるべく100%に近づける努力」をすることだけです。

注:経営(あるいは計画性)や情報収集は、決して無駄なことではありません。むしろ必要なことです。不確実な要因をゼロには出来ないけれど、確度を上げることはできます。ここで言いたいのは、不安というものへの対処においては、計画をどれほど几帳面にしても、本質的に不安はぬぐい切れない、ということです。

3.不安の暴動は、誰にでも起こりうる。

人によって不確実性に対する受け止め方が結構違います。また、自分の置かれている状況、立場、直前の出来事、などによっても、不安を感じる感じ方は、大きく変化したりもします。誰しも不安になることは、やはりあると思います。



では、どうするか?

不安に対抗する充分に強い敵、つまり「不安の天敵」を心の中に飼って置くことで、不意に暴れだす不安に、とっさに抵抗が出来ます。

それは何か?

それは「覚悟」だ考えています。言い換えると、不安の暴動を制するのは、本人の心の有り様、意識の持っていき方だ、と思います。

覚悟という心のありようは、気概、気迫といったものを醸し出します。また、成功失敗五分五分の際に、意思決定しなければならない、そんなときに、えいっと決めて腹を括ることが出来ます。覚悟を決めて、あとは力強くその打ち手を実行することが出来ます。


人間は弱いものです。どんなによい考え方をしていても、計画性があっても、内外の様々な要因によって、一時的に、心の壁の一部が弱くなるときがあります。それは不意に起こります。一晩寝て、立て直せる人は幸運です。往々にしてそういうことは、嵐のような中でおこるので、そのもろい部分に物がぶつかったり、攻撃をかけられたら、普段は防げたレベルのものにもろくも崩れる。そんなことがあります。

そういうエマージェンシーのときに、直ぐにさっと、もろくなった心の壁を補強して、そこから崩れるのを回避するための、お守りとなるようなものを持っている必要があります。

私はそれが「覚悟」というものだと思います。不安は突如暴れだし、もろくなった心は簡単に崩れる。なので、いつでも心に「不安」の天敵である「覚悟」をかっていれば、いつ暴れだしても、心の壁がもろくなる前に、「覚悟」が「不安」の暴動を制圧するでしょう。強い覚悟を持っていればいるほど、強い不安が発生したときに、防御装置となるでしょう。

不安に心がもろくなりそうだ、と感じたときには、丹田(下っ腹)にぐっと力を入れて、覚悟に意識を注ぎ、心を強くする。そのために普段から覚悟をもって生きていたい、そう思います。






追記:一年後の私へ。

私は、一年後に誕生日のこの日記を振り返るでしょう。これまでそうしてたように。

35歳の石井は、覚悟を持って生きていますか?
posted by 石井力重 at 23:24 | Comment(1) | TrackBack(1) | 8月22日

2006年08月22日

はじめに本物を与える。

本日、8月22日で33歳になりました。すこし私の価値観に関することを書きたいと思います。私は、教育においてははじめに本物を与えることはすごく大切だと考えています。

友人で、初めてのボーリングをプロに習った人がいました。そういう人のフォームは癖が無くってきれいな投げ方をします。実際にとてもうまいです。彼は、スキーは我流ですべっていました。あるときプロに見てもらってうまい滑り方をマスターしましたが、積み上げてきたものの軌道修正なのでぴたりと練習したとおりにばかりはいきません。

教育は、はじめに本物を与える。子供が生まれてから特にそう思います。いの一番に体験するものがその対象に対する基準をつくるとおもいますので、多少お金がかかったとしても、できるだけ本物を手にさせたいとおもいます。自分自身を教育する面においても同じです。映画プリティーウーマンのなかでリチャードギアが「オペラは最初に好きになれれば生涯の友になる。」といった趣旨のことを発言しますが、そのとおりだと思います。

本物は、必ずしもお金を潤沢にかけることだけではないとおもいます。本物の素材を手にする。本物の自然を体験しに行く。本物の「人物」に引き合わせる。本物というのはなにか、きちんと語れませんが、いわば見るものに、圧倒的な正道、を感じさせるようなもの、それは洗練されて、昇華していて、美しいもしくは感動的なもの、であることが多いような気がします。

私は、時折、講師をしたり、ワークショップを通じて学びの場を提供したりします。私が、その自分の規範で言う「本物」といえるとはおくびにもいえません。ただひとつだけいえることがあります。それは私が次のような価値観を持った人間である、ということです。私を通じてはじめて何かを学ぶ人には本物を提供したい。と。

来週には、学生団体VIASのビジネスコンテスト初日に、アイデア創出セミナーの講師をしにいきます。学生の皆さんのそのあとの数日間が最大限に楽しくなるような、そんな講義を提供したいものです。
posted by 石井力重 at 23:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | 8月22日



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