公的機関で行う創造的な教育の中には、かなり実践的なものもあります。
私の担当する講義コンテンツを公開します。
(講義のフル・スライド) |
(スライド・アニメーションを含め、動画にしたもの) |
実際には、どんな感じなの?に対しては、昨年2019年の開催報告が公開されています。
こんな感じの場です。
少人数で深く、エキスパートとのリッチな対話型で進みます。
((背景))
3Dプリンター周辺産業の育成に取り組む宮城県の公設試からの依頼で、毎年2月頃に「アイデアモデリング研修」を行っています。
発想する、粘土でスケッチする、エキスパートと形を見ながら対話する、仕上げる、3軸撮影する、それをもとに3DCADソフト上で形状データを作る。
そんな流れで行うと、想像を形にするのが早く、上手くなります。それを2日間の実習で学ぶ研修です。
この講義の中核である「ネンド・ダイアローグ」は、アイデアプラントと宮城県産業技術総合センターのデザインチームが共同開発した手法です。
多くの方の学習に役立つことを願って公開します。同種の研修をしたい、という場合は、参考にしていたける部分があれば、活用なさってください。ただし中には著作権を有する著者・企業があるものも含みますので、引用(出典明記と引用範囲の適切さを考慮して)なさってください。
((ご案内))
この研修は毎年定員8名、と、かなり少人数で行っています。2020年は2月3日&4日にあります。
ご興味あればぜひご検討ください。
宮城県外の方(個人でも企業でも)も受講できます。
今年の講座概要は以下の通りです。
日時:2020年2月3日 10:00 (〜翌日17:00)
(締め切り1月24日)
場所:宮城県産業技術総合センター
研修名:アイデアモデリング研修
〜以下、案内から抜粋〜
商品化のアイデア創出から,それを製品化する際に必要となる3次元CADを使った形状モデリングを実現するプロセスを学びます。特許や技術分析手法を用いたアイデア創出手法「TRIZ」をわかりやすく学べる教材を使って,アイデア発想術を体験を通して学びます。また,そこで発想した製品アイデアを具現化していくために,3次元CAD「Fusion360」を使ったユニークなモデリング術も習得します。3次元CADで製作したデータは3Dプリンターや高品質CGレンダリングなどで幅広く活用できます。新たなアイデアを発想し,それを具現化するまでのプロセスをスピーディに行う手法が習得できます。
詳細・申し込み方法
以上です。
((最後に余談を))
社内で3Dプリンターのことに困っていたら、大抵の相談には乗ってくれるチームがこの主催機関の中にあります。この研修は受けないけど、このチームの提供する3Dプリンター関連のセミナーに出たい、というのももちろん大歓迎です。行政のセミナーでしょ?と思いがちですが良い意味で予想と大違いです。日本で得られる最先端の内容や知見が毎回提供されています。
そのチームの目線は常に世界を見ています。世界最大級の3Dプリンター展示会がフランクフルトで開かれていて、そのチームに誘われて石井も見てきました。全員が自腹で。
技術、産業動向、最先端企業の展開などが、日本で見聞きするのとは雲泥の差で、見れました。
日本語セミナーもありまして、石井は一番前で聞いていました(矢印のところ)
今回の「アイデアモデリング研修」の提供は、研修内容は楽しく、創造的に、というトーンで行いますが、その目線の先には、地域産業や日本企業の今後の先端技術戦略を見据えています。
日本では、3Dプリンターは、「ハイプサイクルのピークを過ぎて、最先端でもないでしょ。最近ニュースでも聞かないし」という意見をたまたまフランクフルトの寿司屋で隣に座った、雑貨を買い付けに来ていた日本人から聞きました。その声は、正しいと思います。バズワード、旬のTV話題ではなくなりました。でも、実際には、3Dプリンターは産業に実装される段階に入りました。日本ではトヨタの量産車に初めて3Dプリンター出力部品(それもかなりデカいもの)が採用されました。小さな樹脂品で、ゆるキャラを出力するのが関の山だよなー、という印象を多くの人が持っていますが、今はるか先に、産業技術は到達しています。そこにいまから後追いで参入するのは現実的ではないでしょう。しかし、高度な先端技術は必ず周辺産業も出現させます。これから、イノベーション産業の一翼を担うメタルプリンタが台頭していく中で、戦略的にどこを取りに行くか。そんな議論をできる公的機関が、今回のセミナーの主催者さんなんです。
そのチームに会いに来るだけでも、新幹線・飛行機乗ってくる甲斐があるーーと、私は思います。