他、旅仕事の前後にも、2件ほど、大企業さん向けの講義ワークショップをしました。
2024年09月24日
夏の旅仕事は、八尾(20名2日間)、早稲田大学(200名4日間)の講義ワークショップをしてきました
他、旅仕事の前後にも、2件ほど、大企業さん向けの講義ワークショップをしました。
2024年09月23日
流れが戻らない今、私たちがすべきこと
コロナ以降、社会や生活の流れは大きく変わりました。一見するとコロナ前に戻ったようにも見えますが、実際にはかつての流れが枯れたり細くなっています。その一方で、新たな流れが生まれ、育っています。
ダムのモデル、アリのモデル
多くの事業者は「一時停止していたものが再開する」と考えてビジネスを再開しましたが、思うようにいきません。流れが“戻らない”のです。これは、水門を開けば溜めていた水が流れ出すという「ダム的なモデル」が心にあるからかもしれません。
しかし現実は、意志のない水の流れではなく、アリの行列を板で遮ったようなものです。道を塞がれると、アリたちはしばらくはとどまりますが、別の魅力のあるルートを見つけ、流れ出します。板を外しても、新しい道の上にある食物がより良いものであればそちらを選びます。人間はそこまでシンプルではないので、前のものが好きだった人は戻ってくるわけですが、一方で、他でいいものを見つけて戻らない層も結構いるわけです。
コロナの間、いろんな業種がやむを得ず道を塞ぎました。そして社会が再始動して、開けてたところ、戸惑います。溜まっているわけではなく、すでに他へ移ってしまったのです。移った先は同業他社だけでなく、消費者の時間とお金を奪い合うあらゆるもの。そのため、見えにくいのです。
「衰退の早まり」と「成長への投資」
負のインパクト(疫病や大災害やそのほかの危機)で社会をたたくと、「衰退の早まり」と「成長への投資」が生じると、未来予測の専門家に以前、教えてもらいました。
ある種の熟成市場はもともと縮小傾向にありました。コロナは、その時間を十年とか二十年とかの時間遷移を早送りしてしまった。
なので、いずれ消え去るトレンドにあったものは、見切りをつけ、成長のトレンドにあったものも、流れのない場所に店を構えた「駆け出し」として、創業時に相当する努力をしなければなりません。
先見のための予兆
さらに、社会全体でも変化が起きています。
(1)人間関係の希薄化
ソーシャルディスタンスやリモートワークにより、人間関係の希薄化は進みました。職場でのチームビルディングは弱まっています。それが顕在化してきたのもあり最近は、リモート文化から対面文化へと戻りつつあります。しかし、多分対面に戻すだけでは終わりそうにありません。
もう一つの大きなファクターは、ハラスメントやジェンダーへの配慮の進展です。先輩経由で訓練されてきた「昭和」の感覚を持つ人々には、今の新常識は難しく、まるで5歳児がガラス細工の店にいるようなもの。自由に動くと壊してしまうので、動かずにいるしかありません。それが、パワフルな組織の醸成にブレーキをかけています。(だからといって「昭和よ再び」とは言えません。あの時代はあの時代で、パワフルさと同時にいろんなものを壊していました。)徐々に適応していくでしょうけれど、長くブレーキを踏むことになるでしょう。
(2)知のロス
組織が持っていた暗黙知も、コロナの時期の多くの退職者により失われました。マニュアルでは伝えきれない貴重な知識が組織にはいっぱいあり、人数は戻しても業務の水準が上がりません。
(3)自信の低下
経済面では、コロナ明けには、賃金や物価の上昇の希望の兆しがありました。が、それほど皆の生活が豊かになった感じはありません。(結構上がった会社もあるのですが賢い人はそれを声高にいいませんしね。)
大きく言えば日本は30年間賃金がさほど変わっていないのに対し、欧米やアジアではその間上がってきました。
そして、円安で外国人観光客には日本は「安い国」になっていています。
経済だけでなくホワイトカラーの面でも、生成AIの急速な進化が影響要素に加わりました。虚無感や諦観を抱く者もいれば、AIを活用して進もうとする者もいます。(なので、このファクターは必ずしも、自信の低下項目に分類できませんが。)
負の回転だって商機を生む
以上、3つの変化を書きましたが、独立な要素というよりは、相互に関係しあっているものです。また、総じていえば、現在、大きな方向性が見えにくい時代に入りました。
そんな中でも上記の3つの変化は、「ある種の市場にとっては、ビジネスチャンスを生む変化」でもあるでしょう。3つの変化で生じる社会の軋轢を、事業の手法を通じて解決できれば、自社の新事業になります。
見知らぬ人生ゲームになっていた
コロナの中断が終わって、続きを再開した人生ゲームは、実は、新しいルールが加わり、参加プレイヤーも入れ替わり、その先のルートも大きく変わっていた、というのが今の状況です。「中断前の状況に戻らない」と感じたときは、財産も同乗者も何も持たなかった「リセットのスタート状態」から頑張る、という姿勢がいります。
ただ、現実社会では「借り入れていたお金」だけは、リセットされない。世知辛いもんですが。とはいえ、常識を更新し、新しいルールのゲームにいるという認識があれば、それまでのノウハウもまたリセットされずに、新しいゲームに写像して使えるはずです。プラスマイナス、とんとん、で。
2024年08月22日
【51歳の展望】リタイアする日の自分が褒め、創業した日の自分が憧れる。そういう仕事を。
2024年8月22日、奈良県の山奥、天川村(てんかわむら)にて、51歳の誕生日を迎えました。
源流に近い清流、みたらい渓谷には「みたらい休憩所」という有名な駐車場があります。その下に「ほどよく深さがあり、流れが緩く、下流へ流されない天然の止め石のあるエリア」があります。奈良県をよく知る友人に教えてもらい数年前に初めて行き、なんて気持ちのいい場所だろう、と。今回は一泊の旅程で来ました。ここからの一年間、51歳の展望を考えるために、夜になると何にもない山奥のこの村でゆっくり考え事をしよう、と。

ここへ行く道中の空路や、清流に潜ったり、川辺で青い空と森を見上げて考えていました。
いずれ来るリタイアする日。その時の自分に褒められる仕事をしたいな、と思いました。そして、創業した日に立っている自分が憧れるような仕事をしたいな、と思いました。
かつての私
どこまで行けるのかもわからない中で、がむしゃらに前だけを見て、走ってきました。
商社をやめ、大学院博士課程に進み、NEDOフェローとして大学ベンチャーに駐在し、アイデアプラントを創業した2009年4月1日、その日から、いったいいつまで、そして、どこまで進めるのかも分からず走り出したわけですが、当時は当時で40歳になる日までの自分の人生の地図を作っていました。今思い返すとそのころの描いたものが随分控えめであり、そこよりもだいぶ水準の高い仕事を、そしてすごい人たちと一緒にする仕事をしていくようになりました。
行く道の先
このままいくと、父がピンピンコロリとなくなった77歳ぐらいまでは現役で仕事をしていそうです。あと四半世紀。もしかしたらもっと良い医療とか思考力を補佐するバディーロボットが登場することで、もっと長い期間働けるのかもしれません。そこは分かりませんが、短い場合は四半世紀後、リタイアする日の自分がたっている場所から見て、51歳のころにした仕事を自分でほめてあげたいーーといわれるような仕事をしたいな、と思ったのです。
多分、志しの仕事、社会的価値を増やせるような仕事をする、そういうことができたときに石井翁は褒めてくれるんでしょう。
道を振り返る
そして、過去。30歳の創業した日。あの頃の自分がどんな仕事に憧れていたかを思い出してみようとするとちょっと記憶が遠くなっていました。青雲の志。それを忘れずにいようとしていたのですが、日々来る情報量の中で21年前のことはだいぶ遠くなっていました。大きな案件、知名度、高い報酬、なども憧れがあったのかもしれません。今となってはそこを切望することが希薄になっていて、ちょっとよくわかりません。しかし、わかることもあります。次々新しいものを生み出し、人々に創造支援を提供し続ける。そういう仕事ができる未来の姿に憧れがあったと思います。(訂正:創業は、35歳、2009年4月、16年前でした。)
アイデアプラントの製品をもっと作りたい。製品以外の「創造支援のもの」ももっと生み出していきたい。創業した日の自分はそういう力に憧れている気がします。
ということで、展望の文としてまとめますと:
リタイアする日の自分が褒める仕事、
創業した日の自分が憧れる仕事。
そういう仕事をしたい。
毎年、自分なりに微妙に(あるいは実に)達成の難しいことを言っています。今年も、達成するつもりで立てていますが、難しいことを含んでいます。
年齢的に、短期的なものの見方、動き方は、合わなくなってきました。
長い時間の流れを見据えて、「好きで得意で志しに叶うこと」を、この一年もしていこうと思います。
皆様どうぞこの一年もよろしくお願いします。
2024年07月09日
【ブレストの進行役のノウハウ】
いわば、
無考慮にこじ開けない。
可能なら立ちブレスト。
出し尽くしたら、あと10個。
批判も材料に使う。
ファシリがその場の社会規範を作る、くだけて見せる。
といった、非言語に、無意識に、いい進行役がやっていることに絞って、書いてみました。
各種のブレスト技法では、それぞれのファシリのテクニックがありますが、どれにも共通する「知っておくといいこと」としてはこの辺かな、というノウハウの共有でした。
探求のテーマを作り出す「アイデア創出の授業」(高校の探求の時間の特別講義としてお話し&ワークショップをした内容です)
最後に【実施の状況、データなど】をつけておきます。
2024年06月07日
4人ワークは 「4名。割り切れない場合は、3名」
2024年06月03日
選択肢というものの特性
2024年05月20日
人は苦労するがAIは得意なこと(アイデア領域)
AIの進化は日々加速しており、私たちは「考える」という行為の意味が初めて変わる時代に立ち会っています。数年後には、人とAIがタッグを組んで作業を進める時代が確実に訪れるでしょう。これは、創造や想像の仕事にも大きな影響を与えることでしょう。この新しい仕事スタイルを私は「人機共想」と呼んでいます。
この未来において、人間は単純作業や機械的作業、さらには高度な機械的作業から解放されるでしょう。その時、人間はどのような”脳作業”に専念するのでしょうか。
今日、チーム内で「アイデア創出において、人が苦手でAIが得意なこと」について議論しました。私がすぐに思いついたのは3つのポイントでしたが、もっとある気がしました。そこで、AIにも意見を求め、その結果をここに共有します。
AI曰く
大量のアイデア生成: 人間は短時間で大量のアイデアを出すのが難しいが、生成AIは高速で無数のアイデアを生成できる。
ランダム性の導入: 人間は無意識にパターンに従う傾向があるが、AIは完全にランダムな要素を取り入れることができる。
パターン認識と新しい組み合わせ: AIは膨大なデータを迅速に分析し、新しいパターンや意外な組み合わせを見つけ出すのが得意。
広範な知識ベースの活用: AIはあらゆる分野の知識を即座にアクセスし、関連付けてアイデアを生成できる。人間は特定の知識に限定されやすい。
感情に左右されない評価: AIは感情に影響されずにアイデアを評価し、純粋に論理的な観点から最適な選択肢を提示できる。
無限のクリエイティブリソース: 人間は疲れやストレスで創造力が低下するが、AIは常に一定のパフォーマンスでクリエイティブなプロセスを続けられる。
複数の視点からの分析: AIは異なる視点やフレームワークを迅速に切り替え、多面的なアイデアの評価を行える。
データの統合と解析: 人間には困難な大量のデータを統合して解析し、洞察を得るのが得意。これにより、アイデアの質を向上させる。
即時のフィードバック提供: AIは生成されたアイデアに対して即座にフィードバックを提供し、迅速な改善を促進できる。
反復的な作業の自動化: 人間が退屈に感じる反復的な作業を自動化し、創造的な時間を増やすことができる。
石井もこれに全面賛同です。
今度は逆に、「人得意、AI苦手」を聞いてみました。
AI曰く
感情と共感に基づくアイデア生成: 人間は感情や共感を基にしたアイデアを生成するのが得意ですが、AIは感情を理解し共感する能力が限られている。
文化的コンテクストの理解: 人間は文化や社会的な文脈を理解し、それに基づいたアイデアを出すのが得意。AIはこのコンテクストの深い理解が難しい。
倫理的判断の含まれるアイデア生成: 人間は倫理観に基づいてアイデアを生成できるが、AIは倫理的判断が難しい。
ユーモアのあるアイデア: ユーモアは文化や文脈に依存するため、人間にとっては自然でもAIには難しい。
抽象的かつ直感的な発想: 人間の直感や抽象的な思考から生まれるアイデアはAIには再現が難しい。
多義的なアイデア生成: 人間は多義的で曖昧な状況から意図的に多様な解釈を生むことが得意。AIは明確な定義を必要とすることが多い。
個人的な経験に基づくアイデア: 人間は自分の経験や個人的な背景からアイデアを生成できるが、AIは個別の経験を持たない。
即興性のあるアイデア生成: 人間は即興的に状況に応じたクリエイティブなアイデアを生む能力があるが、AIは事前のデータに依存する。
非言語的コミュニケーションの理解: 人間は非言語的な手がかりを理解し、それに基づいてアイデアを生成できるが、AIには難しい。
個別の人間関係に基づくアイデア: 人間は特定の人との関係性を基にしたアイデアを生成できるが、AIは個々の関係性を理解するのが難しい。
AIにはそれができないのか、の厳密な判定は、私の知見量ではできませんが、この2年間のAIとの対話からの感じでは、おおむね賛同です。(ただ、即興性のあるアイデア生成とかは、AIも得意だと思いますが。)
人機共想の時代に、人側の戦略的仕事の基本指針はだいたい、こんな感じになるんじゃないのかな、と思います。アイデアの領域に関しては。
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今日の一枚(2)
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